(7/6更新)お兄ちゃんと私part4 (ページ40)

今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:214,188 hit

みさちゃんの体調不良2 ページ40

潤『Aー、晴れてるし外行こうよ！』

『んー、いいの。行かない』

潤『なんで？行こうよ』

『行きたくない』

雅紀『相当参ってるね、Aちゃん』

潤『だな』

いつも明るいAがこんなにも落ち込んでて流石に俺達も心配になってしまう
病気が人に与える影響って本当にデカいんだな

ー

翔『Aちゃんもうお昼いいの？』

『いらない』

翔『もうちょっと食べないと元気にならないよ？』

『元気にならなくてもいいもん．．．』

食事のとき以外はほとんど窓際に座って外をぼんやり見てるAちゃん
本当に消えてしまうんじゃないかって程のその小さな背中は抱きしめてあげたくなる
きっと色んな想いが混ざり合っていて不安も多いのだろう
Aちゃんは分かってるのかな、みさちゃんが命がわずかであることを
だからAちゃんはこんなにも１人で寂しそうにして
出会いもあれば別れもあるけれどAちゃんにとっては早すぎることなんだろうな
友達がそういう状況にあることが。だってまだ２人とも２０代だもんな．．．

俺が２０代の頃ってなにやってたっけ
命についてなんてそんな深く考えたこともなかっただろうな
当たり前に生きて当たり前の日々を過ごして自分が生きてることのありがたみなんて１度も考えたことなんかない
でもAちゃんは死の怖さを知っていていつも精一杯生きていて、本当なら受け入れがたい事実で泣いてしまってもおかしくないのに涙を堪えて
そうやっていつも生きてきたんだろうな。本当は弱いはずなのに
俺らももっと死について考えなきゃいけない、生きてて当たり前じゃない

ー

翔『じゃあ俺帰るね？また今度』

『うん、おやすみ』

翔『おやすみ』

俺は荷物をまとめて病室の出ようと歩き出す

『翔くん！』

翔『ん？なんかあった？』

『．．．』

翔『ん？』

『一緒に居て？寝るまで．．．』