あの日の話 ページ47
晋太郎『ねぇ、Aちゃん』
『ん?』
晋太郎『俺の家に来た日のこと覚えてる?』
『私が倒れた日?』
晋太郎『そう』
『うん、覚えてるよ』
晋太郎『あの日、俺父さんの話をしたでしょ?少しだけ』
『うん』
晋太郎『ちゃんとは話せてないから、聞いてくれない?俺の話』
『いいよ』
晋太郎『ありがとう』
それから浅くんはお父さんの話を始めた
浅くんが打ち明けてくれた秘密
私が思ってるよりずっとずっと辛いことを抱えてた
その秘密は私とよく似ていたけど私よりもっともっと大きく辛いものだった
お父さんのこともお友達のことも
私なんか幸せな方だった
大人になる一歩手前までお母さんと一緒に過ごせた
でも、浅くんは違った
お父さんに甘えたい時期に甘えられなくって、思春期もお父さんに話したいことも全部1人で抱えてた
その痛みは私が1番理解できる身近な痛みだった
女の子にとってお母さんの存在が大きいように男の子にとってお父さんの存在は大きくて、みんながみんないい関係を築ける訳じゃないけどそれでも居るのと居ないのじゃきっと全然違くて...
私にとっては母の温かい手が大好きだったからそれがなくなった瞬間
母の手が冷たくなった瞬間、どうしようもない不安に襲われて寂しい時に母の体温を感じられないことが耐えられなかった。
いまでも母の手の温かさが恋しくなる
だからきっと浅くんもたくさんのことを我慢してた
きっと1人で泣いてた
越えられない夜を無理やり越えてた
だから私達はきっとこんなにも似てたのかな
それでも、浅くんのが何倍も大人だと未だに思うのは大切な人の話をする時に悲しい顔を見せないから
笑って思い出話をするから
私は何年経っても思い出すと泣いてしまう
どんなに楽しい思い出を思い出しても最後には悲しくなってしまう
もし、神様が本当に居るんだとしたら私は聞いてみたい
1番近くに居て欲しい時期に旅立ってしまった私達の大切な人はいまちゃんと笑えていますかって
痛みもなく幸せな世界で好きな物を食べて好きなものを飲んで、毎日笑顔で過ごせていますかって
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haichu0212(プロフ) - 本日知り、Part1から全て読まさせていただきました。すごく面白かったです。私も二宮担で神尾さんも推しているので嵐話が出てきたところは、すごく嬉しかったです!!!!これからも更新楽しみにしております! (2021年8月1日 22時) (レス) id: 2f1fa5e2c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にのかず(ぱある) | 作成日時:2021年6月27日 18時