俺のせいだから ページ30
浩史『うん。このことを聞いてAちゃんがどう思うかは分からないけど家族として．．．俺を知ってる身として聞いてほしいんだ』
『分かりました』
それから浩史さんはお母さんとの話を始めた
ーー
母さんが亡くなったのは俺が高校生の時だった
大人になった今でも鮮明に母さんが亡くなったときのことを覚えてる
もちろん事故の時のことだって．．．
母さんが亡くなったのは俺のせいなんだ
．．．俺が第一発見者？っていうのかな
母さんが事故に遭った時、同じ場所に居たんだ
直前まで母さんと会話してた
その日俺らは海に出かけてた
毎年恒例の家族旅行
母さんは俺と一緒に砂浜に居たんだけど水が苦手な和を無理やり兄さん達が連れ出して和が溺れたって兄さん達が叫んで
それで母さんは和を助けに行ったんだ
この時、俺が行けばよかったのに俺はまたかって思いが頭を過って動けなかった
動かなかった
兄さん達も若かったから、弟にちょっかいを出すのが楽しかったんだと思う
実際俺だって拓也や和にちょっかいを出して遊んでた
兄さん達が和を助けて、それで母さんは！？ってなった時
母さんの姿がどこにもなくって
母さんが陸に戻ってきたのは10分後だった
潤にぃが母さんを見つけて海から引きあげたんだ
すぐに兄さん達が父さんを呼びに行った
俺はそんな母さんにちょっとふざけて「大丈夫？」なんてちょっと呆れたように言ってた
もしかしたら少し笑ってたかも
対して若くもないのに．．．ってちょっとバカだなとも思ってた
母さんけっこうそういうとこがあったから
だから．．．ね。
でも、なかなか目を覚まさなくってちょっと心配になって「母さん大丈夫？」って今度こそまじめに母さんに問いかけた
でも、母さんの返事はなくって．．．
父さんが来た頃にはもうなんとなく分かってしまった
ー
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作者名：にのかず(ぱある)
| 作成日時：2017年12月19日 18時
