お兄ちゃんと私 (ページ41)

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心配事ーあなた×和也ページ41

和也side

Aが俺に花瓶を投げつけた次の日
俺は頭に包帯をしたまま現場に入った
みんな驚いて寄ってくる
当たり前か．．．

智『にのどうしたの！？』

潤『大丈夫なの？』

和也『あぁ、大丈夫ですよ。切れただけですから』

翔『なんかあったの？』

和也『ちょっと喧嘩しちゃいました、Aと．．．』

雅紀『喧嘩？』

智『Aちゃん調子よくないの？』

和也『ちょっといま不安定みたいで。昨日Aの居ない間に洗濯物取りに行ったんですけど鉢合わせちゃって花瓶当たっちゃいました(笑)』
あぁ、俺無理してんな笑える状況じゃないのに
場を暗くしたくなくって愛想笑い
気づいてなきゃいいけど

潤『花瓶って．．．Aが投げたの？』

和也『そうですね。でも投げた後パニック起こして．．．』
そこまで言って俺は気づいたんだ
自分が泣いてるって
昨日のことがまだ理解できてないのかな
ううん、自分に幻滅しただけだと思う
Aは入院長引くみたいだし
きっと俺も不安なんだろうな

翔『にの．．．』

和也『あっ、大丈夫。大丈夫です．．．』

智『無理しないでおいら達に頼ってよ、仲間でしょ？』

和也『．．．』

智side

にのすごく無理してる
泣くくらいだもん本当に辛いはず
Aちゃんもそうだけど
にの自身もうまくまだ理解できてないんじゃないかな？
パニックや不安でそんなに人格って変わっちゃうんだね
おいら知らなかった。あのAちゃんが．．．
あの優しくて可愛らしいAちゃんが
にのに花瓶投げつけるなんて．．．
相当苦しんでるよ．．．
おいらに何ができるかわからないけど
ちょっとAちゃんの元に行って話でも聞こうかな
少しでも気持ちが楽になってくれればいいけど．．．

ー
それから何日かして
俺は仕事が終わって病院に向かう
Aの病室には入らないでナースステーションでAの荷物をお願いする
きっと今はAもあの日のことを気にしてるだろうから
敢えて行くこともないいんじゃないかって思って
荷物だけお願いしに来た

和也『すいません、これ二宮Aの着替えとか入ってるんでお願いしていいですか？』

看護師『あぁ、二宮さん。分かりました。お友達が届けに来たって言って渡しておきますね？』

和也『ありがとうございます』

看護師『あ、あとちょっとお時間よろしいですかね？』

和也『あ、はい』