54. 対話 ページ10
No side
ボロボロになった建物の中、お互いに傷だらけのシエナとAが対峙している。
シ「ねぇ、Aちゃん?」
「……なんでしょう」
シ「貴女に、守りたいものはある?」
「あります。……今は」
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「私は今まで、他人を守ったことはありませんでした。守ろうと思ったことすら、なかったかもしれない」
ぽつりぽつりと話し始めるA。
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「大切な友人……サトミを殺した、その罪を償う為に生きてきたのだと思います」
「強い力を手に入れた私は、またその能力で誰かを傷つけることが怖かった」
「だから力を隠し、カイト──もうひとりの友人に守ってもらいながら生きてきたんです」
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シ「なら何故、あたしと戦ったの?隠し続けてきた自分の能力を解放して」
「………やっと」
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「やっと、守りたいものが出来たんです」
「サトミが残した、アンドロイドの“弟”……それに、彼の仲間たち」
「彼らは個々の能力値が高い上、お互いを信頼している。そのことでより強い力が出せています。それぞれが辛い過去を抱えているから、その気持ちを共有できるのでしょう」
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「しかし、彼らはまだ未熟。不測の事態に直面したときの彼らには、昔の私のような危うさを感じます」
目を伏せ話すAの言葉に、静かに頷くシエナ。
「今の私は、自分の能力を調節出来るようになっています」
「今回の様な事件が、次いつ起こるか。それは誰にも分からない...けれど、今の私なら」
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「誰かを傷つける為でなく、誰かを守る為にこの
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ねころん。(プロフ) - ゆーさん» あらららら……とりあえずティッシュを……!!そしてもう一周読んできてください!(?)ありがとうございます! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ネコ日和。さん» ありがとうございます!自分の作品で泣いていただけるとは……!笑 今の自分の文体に合わせて作品の修正なども行っているので、その過程で番外編も書くかもしれません!その時はぜひよろしくお願いします〜! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ねころん。(プロフ) - ろりぽっぷ。さん» ありがとうございます!気に入っていただけて嬉しいです!!事情により界隈から離れておりますが、またいつか書いた時にはまた読んでくださいね! (2022年11月18日 16時) (レス) id: feedd75a93 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いいお話、ヒック、すぎて、グズ、涙が、グズ、出てきて、グズ、止まら、グズ、な、グズ、いんですけど、ヒック、どうしたらい、ヒック、いです、グズ、か? (2022年11月9日 18時) (レス) @page38 id: 2307c0fefd (このIDを非表示/違反報告)
ネコ日和。 - 初コメです…!今もう涙で視界がぐわんぐわんしてます。主人公の生き様も、亡き親友の言葉も、全部刺さりました。番外編とかめちゃ見たいっす!!仲良くなった6人とか見たいです!!とっても楽しませてもらいました🤗 (2022年8月15日 21時) (レス) @page38 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
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