白銀の彼女は能力者 2〈stpr〉

49. 手段 ページ4

A side






とてつもない怒りの感情に包まれながら、何故か私の頭は今までのどんな時よりも落ち着いていた。









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私の能力は、強い。


其れ故に、扱いが難しい。


シエナを倒すには、自分の能力に振り回されているようでは駄目だろう。








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『もっと、訓練しとくべきだったかな...』


薄く笑みが浮かぶのを感じる。


こんな状況で能力の暴走なんて起きたら、それこそ皆殺しだ。








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『でも、』









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今の私には、守りたい人がいる。


シエナたちに操られ、苦しい思いをした獣人。


その対応にあたっている学園の能力者たち。









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そして、ここにいる六人。









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私がシエナを討ち漏らせば、被害は現状の非にならないくらい酷くなるだろう。


シ「ふふっ、おいでなさい」


顔を上げて睨みつければ、変わらぬ余裕の笑みを見せるシエナ。


そうこうしている間にも、彼女の前には無数の死霊たちが現れていく。









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『くっそ…..』


るぅとの《回復》の効果で少し体力が戻っているとはいえ、動けない六人をかばったまま長時間は戦えない。


カイトたちが対策をとるまで、ギリギリ持たせられるかどうかだろう。









『…………』









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手段は、一つしかない。









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『皆さん……できるだけ近くに集まってください。今すぐに』


な「え」


『はやく！』









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