白銀の彼女は能力者〈stpr〉 (ページ4)

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特訓(？) ページ4

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「こんちゃ」
「そんなにかるーく入ってこないで貰えるかな、一応厳重に結界張ってるんだけど」
「……そんなのあった？」
「キミには効かないだけだよA」

それで？なんの用？

ため息を吐きながらそう私に尋ねる彼こそ、ここの学院理事長兼私の親友、カイト。
私の本当の能力をこの世で唯一知る人物で、この学院に入れてくれた命の恩人。

「いやあのね、特訓部屋を1個貸してほしいなー……って」
「1個で足りるとは思わないけど」
「こ、壊さないように頑張る！防護結界張る！」
「忘れるじゃん」
「忘れない！」

結界を忘れ、特訓部屋を連続で2個ぶっ壊した前科があるため、カイトの言うことは最もだ。けれど私だってたまには思い切り能力を使いたい。なんとしても引き下がらない私に、カイトは溜息。

「……電話、」
「へっ？」
「特訓前に俺に連絡しなさい。そしたら結界張れって言ってあげるから」
「うわっ、優しい！！ありがとー！じゃあ行ってくる！」
「ちょ、おま、……はぁ」

そそくさと部屋から退出し、スキップをしながら特訓部屋のある場所に向かう。
土下座くらいは覚悟してたよ、さすが親友。そして理事長。

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自分の足で歩いていこうとは思ったが、あまりにも学院が広いので結局瞬間移動で特訓部屋のゲート前へ。
そこには思っていたよりも数倍多い扉たちが立ち並んでいる。この扉ひとつひとつが、相当な広さを持った特訓部屋へと繋がっているのだ。

「空間縮小か、さすがカイトだ」

こんな狭い空間に大量に部屋を作るとは。知ってたけれどタダもんじゃない。
まあ、17歳で理事長をやってるくらいだ。基礎魔法の応用くらいは朝飯前なのだろう。

感心しながらゲートに向かって歩を進める。本来ならば使用許可手続きが必要なはずだけど、多分大丈夫なはず。赤い瞳でこちらを見つめる監視用魔法ロボットを横目に、ゲートを潜り抜ける。何も起こらないということは、カイトが既に手続きを終えていてくれるのだろう。予測通りだ。

そして、お目当ての部屋の中へ。
扉を開けて中に入れば、外から見ただけでは想像もつかないような広さの空間が広がっている。

……けれど、まだまだ私が全力を出せるほどの広さじゃない。

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