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23. 桃 過去・出会い ページ25

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さとちゃんは、俺たちのパーティーの三人目のメンバー。


学院に入った頃、任務で関わり、少し話したときの彼は、すごく暗い表情をしてた。








話しかけても「ああ」とか「うん」とかばっかで。


でも任務やらせたら無傷で最速で終わらせる。


なんだか俺に似てるなって、思ったんだ。









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「俺と組んでよ、パーティー」


同じSSクラスのななもりさんにそう誘われたとき、俺は正直断ろうと思った。






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俺は幼少期の記憶がない。いや正確には、俺の幼少期は存在しない。


俺に残っている記憶は、俺じゃない誰かの記憶。


その記憶の中に、俺は存在しない。


そんな記憶を持った俺は、不思議に思う気持ちよりも、寂しさよりも、自分が知らないはずの記憶を持つ自分に対する気味悪さを感じていた。







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俺は誰から生まれたのか、そもそも誰なのか、なぜこんな能力を持っているのか、









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………この記憶は、誰のものなのか。







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悩み、不安、疑い。


そんな負の感情しかない俺とパーティーを組むなんて、不利益でしかない。


そう、彼に伝えたのに。









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な「悩みがあるなら俺が聞く。悩みがない人なんていないでしょ?……俺にだってある」


真剣な表情で、目を合わせて、ななもりさんは言った。


な「独りで悩んでるよりさ、今みたいに誰かにぶちまけた方が楽になれることだってあるはずだよ」









………もちろん、決めるのはさとみくん、君自身だけどね。








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最後に小さく、自信なさげに呟く。


その寂しそうな瞳に、自分と似たような何かを感じた瞬間、俺は頷いていた。


さ「組ませてください、パーティー。……俺は、あなたと一緒に戦いたい」


瞬間、ぱぁっと明るくなった表情で、ほんと?!やった!……そう喜ぶななもりさんを見て、久しぶりに頬が綻ぶのを感じたんだ。









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キャット(プロフ) - くまくまちゃんさん» あらまぁ僕は神じゃないよ髪だよw (2020年7月21日 17時) (レス) id: b14926060a (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - キャットちゃん神かもしれない← (2020年7月20日 18時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
キャット(プロフ) - くまくまちゃんさん» あら、くまちゃんだー笑 わかりました、頑張ります! (2020年7月19日 13時) (レス) id: b14926060a (このIDを非表示/違反報告)
キャット(プロフ) - ユウラリさん» コメントありがとうございます!わかりましたー!! (2020年7月19日 13時) (レス) id: b14926060a (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - あのっ!面白いですっ!大好きですっ!!!A希望ですっ! (2020年7月19日 10時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねころん。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月11日 14時

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