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Akechi.Side
東条達と別れて、一人帰路を歩いていた。
夕日の差し込む公園。
小さい頃、よく蘭と遊んだ場所。
誰もいないだろうと思い、足を踏み込んだ。
「‥‥！」
だけど、先約がいた。
ブランコに座る、髪が派手で、同じ制服を着た女子。
ブランコを漕ぐわけでもなくただ座って一点を見つめている、夕日に照らされた横顔。
「蘭‥‥？」
ゆっくりと首を動かし、目が合う。
だけど、俺はゾクッと背筋が凍った。
なぜなら
その瞳は＿＿＿＿死んでいたから。
全てに嫌気がさしたかのような、疲れた瞳。
「どうした蘭‥‥
！、またなんかされたのか‥‥！？」
『‥‥違う』
首を横に振り、そう呟いた蘭。
俺は蘭に「少し待ってて」と言い、飲み物を買いに近くの自販機に向かった。
変わり果てた蘭に、俺は戸惑いを隠せなかった。
今まで、あんな姿見たことなかったから。
今にも‥‥今にも消えそうな‥‥姿。
「はい」
『‥‥‥‥』
昔から好きなリンゴジュースを渡しても、何も言わずに受け取りジッと見つめる。
「っ‥‥蘭、どうした‥‥？
一人で抱え込むなよ‥‥。
俺、なんでも聞くから、言えって蘭」
俯く蘭を下から覗きこむように、しゃがみ目を合わせる。
「秀一」とやっと俺の名前を呼んでくれたと思ったら、
蘭から発せられた言葉に俺は返す言葉が無かった。
『私、生まれて来ない方がよかったのかも』
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作者名：ねむ
| 作成日時：2019年7月15日 16時
