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Akechi.Side
「‥‥ぇ‥‥？なに、言って‥‥」
『私はお母さんとお父さんの子じゃないの。
お母さんとお母さんの不倫相手との子なの。』
表情一つ変えずに、そんな事をペラペラと話す蘭。
おじさんが死んだ日の事。
おばさんの不倫の事。
嫌がらせの事。
聞いてるだけで辛いのに、なんでそんな息をするかのような顔で言うんだよ‥‥っ。
『だから私は望まれた子じゃない
生まれて来ない方がよかったんだよ。』
「‥‥っ、そんなことないだろ。
そう思う奴なんていないよっ」
『みんなが思ってなくても、私は思うの。
お父さんは自分の子でもない私を、どんな思いで育てて来たのか‥‥。
そう考えると‥‥辛い‥‥』
「蘭っ」
『‥‥私学校やめるから』
俺の話を全く聞かずに、「学校をやめる」なんて言い出して、立ち去ろうとする蘭を引き止める。
「待てよっ、なんで？
蘭が学校やめる必要ないだろっ」
『‥‥秀一は優しすぎるんだよ‥‥
もう縛り付けたくないっ‥‥秀一まで巻き込みたくないっ』
「意味わかんねぇよ！なんだよそれっ！」
『大事だからっ！！！！』
俺の手を振り払って、そう叫んだ蘭。
怒鳴り声で、叫ぶなんて‥‥今までなかった‥‥。
『大事な幼馴染だから‥‥
だから‥‥私に関わらないで‥‥』
「‥‥嫌だ‥‥意味わかんねぇって‥‥」
『バイバイ秀一‥‥‥‥‥‥』
やめろよ‥‥。
なんで‥‥泣きそうな顔して‥‥。
「‥‥〜っ‥‥クッソ！！」
「今度は俺が助ける」なんてカッコつけたくせに、なんもできてねぇじゃんか‥‥。
クッソ‥‥ダサい‥‥。
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作者名：ねむ
| 作成日時：2019年7月15日 16時
