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智「・・まあ、いいんだけど。」
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と、仕方無さそうな表情で優しくそう言って
私の隣を一緒に歩いてくれた。
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この人の隣は
お互い無言でも、全然気まずく感じない。
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何もかも見透かされていそう、
そんでもって、予想外の事を言いそうで怖いけど、
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それ以上に居心地がいい。
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智「・・ねー、」
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突然、大野先輩が私の隣で声をかけてくるから
一瞬目が開く。
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「・・・・はい？」
智「もしもさ」
「・・はい。」
智「ニノが、吉野ちゃんの事好きになっちゃったら、どうする？(笑)」
「え・・・」
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ほら
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やっぱり、この人は意表を突いて来る。
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だから、
ほんの少しだけ
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大野先輩は・・苦手。
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「・・べ・・、別に・・。」
智「別に？」
「別に、・・私は関係ないです。」
智「え、そうなの？」
「・・ど、どうしてそんな事聞くんですか？」
智「だって・・、Aちゃん・・」
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大野先輩が私の顔の前に
自分の顔をグイと近づけて、
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智「・・さっきから、チラチラ気にしてるんだもん。ニノと吉野ちゃんの事。」
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と・・、
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そう言い、
ふふっと可愛らしく笑う。
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その笑顔が
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ちょっと意地悪で、
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"全部、お見通し"って感じで
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大野先輩にウソを突くのは
何年も早いんだって
改めて気がついた。
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作成日時：2012年4月7日 12時
