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「わ・・私は・・」
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こうあっさりと言い負かされるのは悔しい。
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って、
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違う違う。
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ここは・・、素直にならなきゃ
ダメなんだ。
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そう言い聞かせ
悔しいのをグッと我慢して
カズにぃの両肩に手を置いた。
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「・・・べ、別に・・、行って欲しくないなら・・行かないもん。」
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そう言った勢いで、
カズにぃの肩を押し上げるつもりだったけれど
全く動かない。
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そっと、目線をカズにぃの顔に移すと
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さっきより、一層楽しそうな表情のカズにぃが
意地悪く微笑していた。
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それで、なんだか一気に羞恥が襲ってきて、
体を背け、カズにぃから逃げようとしたら
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和也「・・どこ行くんだよ。」
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と、
その言葉だけで、私の体を動けなくする。
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まるで、
"どこにも行かないって言ったじゃん"
と、言っているような気がして。
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そうしたら
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和也「・・ねー・・」
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途端に、妙に甘ったるい声を出して
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逃げようとした私の腕を
逃げれないように抑えて
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じっと私の目を見つめる。
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そんなカズにぃの表情を伺うと、
甘い声とは裏腹に
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怪しく笑って、
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一瞬間を空ける。
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静かになられると、
心臓の音が伝わっちゃいそうで怖い。
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私を見下ろすカズにぃが
小首を傾げて、ｸｲっと口角を上げて微笑む。
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そんな、意地悪な笑顔で、
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和也「・・俺・・、キスしたいんだけど。」
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妖麗な表情で
甘く意地悪く
囁いた。
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作成日時：2012年3月24日 9時
