幸せ

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憂鬱な気持ちで大学内をうろつく


すぐ帰ろうと思ったけどあの後どうなったか気になって、一人で帰る気になれない




携帯鳴ってるけど、絶対亜嵐だよね…





亜嵐〔 さっきはありがとな！連絡先交換したよ！今どこいんの？ 〕



A〔 よかったね、もう帰ってるよ 〕









なんだ、すぐ交換できたんだ。
よかったじゃん。



胸の奥がざわざわする、

もう帰ってるなんて嘘ついた自分にももやもやする




恋って気づいてしまうと本当にめんどくさい





でもこんなのは慣れっこ。

今までだって何回もあった
亜嵐の恋がうまくいくように手伝うなんて。



…何回も、あったんだから。







でもなんでかな、
今回は驚くほどしんどい









A「はぁ……」


涼太「でっかいため息やな(笑)」


A「…………涼太くん」


涼太「心配で…待ってた。大丈夫、じゃなさそうだね」


A「あはは……」


涼太「お話、聞きますよ」






本当にこの人何者なんだろう、


今優しくされたら泣いちゃいそうなのに






でも一人で帰りたくなかったし、お言葉に甘えて話聞いてもらうことにした







A「…で、この人いきなりなに！きもい！って思われたらどうしようとか言ってモジモジしてさぁ」


涼太「はははっ、亜嵐くんきも〜」


A「でしょ？(笑)」






涼太くんが晩ご飯一緒に食べよって言ってくれて、大学生にしてはちょっとオシャレな感じのお店に連れてきてくれた








涼太「Aちゃん、よく頑張ったね」


A「……………」


涼太「亜嵐くんよりいい男、いっぱいいるよ？」


A「…そうだよね、ありがと」


涼太「まぁ、いっぱい食べて嫌なこと忘れちゃいな」


A「涼太くんってなんでこんな美味しくてオシャレなお店知ってるの？」


涼太「俺、スーパーマンだから」


A「ふふ、なにそれ、意味わかんない(笑)」


涼太「あ、やっと笑ってくれた」


A「え？」


涼太「女の子は笑ってるほうが可愛い」


A「…………」





女の子が言われたいだろうなって言葉をにこにこしながらさらっと言えるなんて…


オシャレなお店知ってるし、イケメンだし、優しいし

涼太くんみたいな人、素敵だな。




こういう人と付き合う女の子はきっとすごく幸せなんだろうな




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