同級生 〜age 32〜

27 ページ27

「…でさ

　結局 これから どうすんの？
　どうなるの？」

「今までと なにも 変わらないだろ？

　櫻井が 結婚して 離婚しただけのコトで
　どうもしないし

　…どうにも ならない」


真っ直ぐな目で オレを見る 相葉の視線から 逃れたくて
ベットの上で眠っている 櫻井の 柔らかな髪を そっと撫でた


「オレたちは 友達だ
　同じ時間を 過ごしている 大事な 大事な 『タダノトモダチ』だ

　あの時 ハンバーガー屋の ボックス席で 決めた『約束』 覚えてるだろ？

　櫻井が 結婚した時も 離婚した 今でも
　オレたちは 大事な『タダノトモダチ』でしか 無いんだ」


相葉に向かって 話している様でいて
その言葉を そっくり そのまま 自分のココロに 言い聞かせている

「そうだよね

　櫻井にとって オレたちは
『同じ時間を過ごしてきた ただの友達』だよね

　…でも

　オレたちにとっては 櫻井は『ただの友達』じゃないよね？

少なくとも オレにとって 櫻井は
『世界で 一番シアワセになってもらいたい 友達』なんだよね」


相葉が 一点の曇りもない 磨き上げられた鏡のような瞳で
オレを じっと 見つめている

「…さっき 大野が 言っていたけどさ
　オレも 櫻井が シアワセでいてくれないと 困るんだよね

　あの頃も 櫻井が結婚した時も

　今も

　こんなに 辛い思いをしながら 『ただの友達』を 続けていくことが
　櫻井のシアワセに つながってないんだったら

　オレは
　
　オマエらと 友達でいられなくなってもいいから
　櫻井を シアワセにしてやりたいと思う

　…それじゃあ ダメかな？
　

　オレ
　間違っているかな？」



相葉の言葉に 嘘も偽りもないことは 良くわかっているから
オレは 良いとか悪いとかを 簡単に 言うことは出来なかった
　

　

28　松本→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す