No.28 ページ28
【MASAKI】
いつの間にか、風間がいなくなった。
翔ちゃんの手術が終わって、病室に移動した俺たち。
寝ちゃってる双子を隣の空きベッドに移して気づいたんだ。
…あれ？
風間、どこ行った…？
って。
双子と翔ちゃんを看護師さんにお願いして(ナースステーションの目の前だから監視をね…。)、風間を探しに出る。
ロビー、待合室、受付、トイレ、庭…。
どこにもあいつの姿は見当たらなくて。
…ようやく見つけた時には、もうほとんど手遅れだった。
頭を抱えて泣き叫ぶ風間を見るのは、辛い他に何も無い。
風間には、6歳違いの弟がいた。
ことが起きたのは、風間が小6、弟の祐介くんが年長の時。
自然が多いところに住んでいた2人の遊び場は、家のすぐ近くの裏山だったらしい。
その日もいつもみたいに、学校から帰った風間は祐介くんと遊びに出かけた。
…1時間くらい遊んだ後って言ってたかな。
結構大きめの、地震が起きたんだ。
前の日は大雨で、山の土が緩くなってたらしくて…。
山の上の方からの土砂崩れに、2人は巻き込まれてしまったという。
風間がまだ小さい祐介くんを抱きしめたことで、辛うじて祐介くんが土で気道を塞がれて死ぬことはなかったというけれど…。
祐介くんの足は、大きな瓦礫に挟まれて身動きが取れなくなってしまった。
血が通らなくなって壊死してしまうのも時間の問題で、風間は必死になって助けを呼んだり、瓦礫を動かそうとしたらしい。
でも、子供一人の力じゃ到底不可能で。
裏山に来る人も、ほとんどいなかったという。
お母さんも買い物に出かけて、なかなか戻ってこられなくなってしまっていたんだって。
不運なことが重なった、そんな事故だった。
一生懸命動いていた風間自身も、おでこと脚がぱっくり開いてしまってたらしくて。
痛みも酷かったし、血がどろどろ流れてくるから、ずっとふらふらして目眩もしてたって風間はつらそうに言ってた。
直に2人とも動けなくなってしまって、ただ日が暮れていく。
とうとう真っ暗になって、その時から祐介くんは暗闇が怖くなってしまったらしい。
結局、救助されたのは10時頃。
土砂崩れから6時間以上たっていた。
祐介くんの脚は切り取りになってしまって、風間は遊びに行ってしまった自分を恨んで塞ぎ込んだ。
一時期は言葉も通じなくなるくらい、精神病に苦しめられた…って。
その時から、祐介くんの義足生活が始まったんだ。
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智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
