No.27 ページ27
【SHUNSUKE】
手術室から櫻井さんが出てきたのは、4時間くらいが経った頃だった。
時間は午後9時を既に回ってて、冬の今は外はもう真っ暗。
病室には一度行ったけど、4人だけにした方がいい気がして抜け出してきた。
病院の、食堂…なのかな。
ガラス張りになって外が見える所で、俺はずるずるしゃがみこむ。
…何だか、闇に飲み込まれそう。
ぼんやり眺めている真っ暗闇に、自分が侵食されていってしまいそうで。
怖くて、怖くてたまらない。
風「…っぅ、う…。」
…やめて。
思い出させないで…。
キリキリ締め付けられる頭を抱えてうずくまる。
…あの時もそうだった。
あの日も、暗い夜だった。
『…おにぃちゃ…、いたい、いたいよ…っ…！』
『祐介、もうちょっとだけ、頑張って！』
『おにいちゃ…、おにいちゃん…。』
『大丈夫…。大丈夫だよ、祐介。
きっと助けてもらえるから…。
あとちょっとだけ、頑張れ…。』
風「…ぅうっ…、いっ…、ぁっ…！」
痛い、いたい、いたいよ…！
やめ…っ、やめて…！
…真っ暗な中で、瓦礫に埋まって…。
誰にも助けてもらえない。
誰も気づいてくれない…。
弟は足を怪我してるんだよ…！
動けないんだ…。
だからはやく、早く気づいてよ…！
祐介を、たすけて…！
風「…ひ、ぅっ…、あ…っ…！」
キリキリ、キリキリ…。
少しずつ、少しずつ…。
でも確実に俺の頭を潰しにかかる痛み。
風「…っ、ああぁぁっ！
や…、て、やめ、てっ！！」
？「…ま、…ざま！風間っ！！」
風「…っぁ…、ゃ…。」
ふわっと暖かいものに包まれる。
？「風間？大丈夫…？
俺の事、分かる…？」
風「…あ…、ば、くん…。」
相「ごめんな、遅くなって…。
大丈夫、大丈夫だから…。
頭、痛い？」
風「…ん。
…っ、たい…。」
相「辛いな…。
今、寝かせてやるから…。」
風「…いい…、この、まま…。」
相「…え？」
風「…ゆ、すけ…に…、あぃ…たい…。」
相「…祐介くんに…。」
風「いま…なら、あえる…？」
相「は…？」
風「あたま…、いた、くて…。
われちゃえば…、あえる…？」
相「…っ！
そんなこと…、言うなよ！」
…ごめん。
自分でも、何言ってるかよくわかんないんだ…。
風「…ぁぃ、たいよ…。
ゆ…すけ…。」
相「…風間？
…おい、風間！しっかりしろ！」
風「ん…、ふふ…。」
あぁ。
…闇に、飲まれていく。
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智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
