No.15 ページ15
【SAKURAI】
A「よし！
初めよっか！」
気合い入った相葉くんが手にしてるのはホース。
相葉くんの願いが通じたんだね。
今の天気は快晴。
外の芝生もかわいてきていい感じになったから、そろそろ外に出てみようって話になった。
やっぱりミラクルボーイだよ、相葉くん。
あんなにどんよりしてた雲がいなくなったんだもん。
すごいよね。
相葉くんが蛇口を捻ると、勢いよくホースから水が出てくる。
それを見ると、走ってきて俺の脚にしがみついた智くん。
小さく揺れるその背中は、やっぱり水が怖くて仕方ないんだ。
智くんの様子に気づいた相葉くんが、水を止めて智くんの方にやって来て、しゃがんで目を合わせた。
その様子を、ベンチに座りながら心配そうに見つめる和也くん。
でも、俺たちの言葉を信じてくれてるのかな。
不安そうだけど、その場を動こうとはせずに任せてくれてる。
相葉くんは、静かにその口を開く。
A「…智くん。」
智「…ん…。」
A「…ごめんね。」
智「…っ、え…？」
A「俺がちゃんと見てあげられてればよかった。」
智「…。」
A「俺が、一緒にいなかったから…。
俺が、早く助けられなかったから…。
こんなことになっちゃったんだ。
本当に…、ごめんなさい。」
智「あ…、ば、ちゃ…？」
A「…ごめん。
ごめんね…。
お水も海もお魚も、大好きなのに…。
俺が、怖くしちゃって…。
本当に、ごめん…っ…！」
いつも明るい相葉くんの口から出てくる、償いの言葉。
相葉くんだけが悪いわけじゃない。
俺だって、もちろん悪いんだ。
智「…あ、ばちゃん…、わるくないよ。
…さとの、せいなの…。」
A「…っ…？」
智「…さと、せんせいにきをつけて、っていわれてた。」
A「え…？」
智「ひ…、けつ…？だから…。
ふらってするかもしれないから、って…。」
A「…うん。」
智「さと、のからだ、ふりょーひん、だから…っ！
でも…、さいきん、へーきだったから…。
だから、だからっ…！」
A「…ちがう。違うよ智くん。」
相葉くんが、小さな体を抱きしめる。
A「智くんは悪くないよ。
貧血は誰でも起こるよ…。
だからそんなに自分の体を嫌いになっちゃダメ。
不良品だなんて言わないで…？」
智「…んっ…、ひっく…！」
A「…お水が怖くなっちゃったことだって、ダメなことじゃない。
あんな体験したら、誰でもみんな怖くなっちゃうよ。」
相葉くんは、優しく笑う。
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智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
