【あんスタ】愛を零してマルグリット【合作短編集】 (ページ26)

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あいしたかった／漣ジュンページ26

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君の笑顔を見るたびに、
君に優しくされるたびに、

君をあいしたいって泣いてるの。

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君に「好きです」って言われて、もう何日経っただろうか。もしかしたら、何ヶ月、何年？過ぎているのかもしれない。その間に君の気持ちなんて変わっているかもしれない。

＿＿そんなはずはないのに、そんなことを望んでる。

「ねぇ、Aさん」

君がそうやって話しかけると、私の体がビクリと震える。何日、何ヶ月、何年。過ごしているからわかる。その言葉の先。

「好きです」

ほら、やっぱり。
笑って、なんでもないように、でも本気で、私のことを好きだと言ってくるのだ。＿＿この、漣ジュンという男は。

私は何日、何ヶ月、何年、それを聞き続けては、何も返答が出来ずにはにかんで、ジュンくんを突き放してしまっている。返事なんてもう、決まってるのに。

もういっそ「返事は？」って聞いてくれたら私も返せるかもしれないのに、ジュンくんはそれを毎日伝えるだけで、それ以上を求めてこない。返事を求められたことなんて1度もない。もしかしたらジュンくんは返事なんて要らないのかもしれない。そんな悲しいことを思って、また胸が苦しくなった。

だって、私とジュンくんは「プロデューサー」と「アイドル」で。それ以上の関係なんて、私も彼も、望んではいけないはずなのに。

なのに、どうして。
君が"それ以上"を求めるかが、どうしてもわからなかった。

そして私が、それに対して何も言えないのも、わからなかったんだ。