【黒子のバスケ】 〜キセキの世代と天才少女4〜

第172Q　黄瀬side ページ36

貴「うん、うん、それでね？いいって！
だから明日皆と行くね！…え？ダメ？いいじゃん。」

Aっちはさっきから電話をしている。

たまたまベランダに出て風を浴びようとしたらAっちが居た。
静かに入ったからまだ気づかれてない。

キスしてた男かな？
明日そいつんとこ行くんスね。

貴「いやいや、大丈夫だって！」

Aっち楽しそう…。
笑ってるし、俺らよりそいつの方が好きなんスか？

半年以上一緒にいるのに、悲しくなるッスね。

貴「ってか、一緒に来いって言ったのそっちだし…え？そこじゃないって…
どういう事ですか…？
まぁいいや、うん、いいよ。」

いいなぁ…

貴「いや、だって何かめんどそ…あ、ごめんごめん。」

軽口たたいてもらえて、

貴「ごめんて、かーずくーん？かーず君！」

昨日今日会ったような人なのに、名前で呼んでもらえて、

貴「もぅ、すねないでよ。あはは、子どもみたい。」

仲良さそうで、

キスしてもらえて、

俺はまだ、お礼でしかキスしてもらえないのに。


Aっち、

貴「えぇ!?そこでも拗ねるんだ!?」

俺、Aっちが好き。

欲しい、Aっちが、

Aっちの全てが。


.


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＿＿＿＿でも無理ッスよね。


皆Aっちの事好きだし。

俺はチキンっつーかヘタレっつーか…、

臆病者で、

手を伸ばせば、名前を呼べば気付く距離なのに、
分かってるのに怖がって……。

貴「あー、のさ、ありがとね？
おかげで皆と仲直り出来たし、うん、嬉しかった。」

黄「っ！」

貴「えー？だからいったじゃん。特別なんだって、あの人達は。
あ、うん。じゃねー、また明日。」

黄「Aっち！」

Aっちが電話を切るのと同時に呼びかける。

貴「わっ、涼太！びっくりしたぁ。」
黄「俺Aっち好きッス！」
貴「ん？ありがとう。私も好きだよ？」
黄「………。

冷えるから、中入ろう？」

貴「あ、うん。」


いつか、俺だけがAっちの特別になればいい。

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