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赤い薔薇は好きじゃない。
思い出したくないことまで思い出してしまうから。
「【死ぬほど恋い焦がれています】……か」
「神宮寺さん、どうかしましたか？」
「イッチー……いや、なんでもないよ」
ST☆RISHが幻の新人賞・うた☆プリアワードを受賞してから、今までよりも格段に仕事が増えた。
今日は雑誌の撮影とインタビュー。
テーマは“花言葉”で、メンバー全員がそれぞれをイメージした花を手にして撮影をした。
俺は赤い薔薇。
細かく言うとそれは“紅色”らしくて。
“インタビューにも花言葉を織り交ぜて”
という要望があった。
俺は普段の俺が言いそうなことを淡々と言った。
「読者アンケートでは、“レン様と言えば赤い薔薇”という意見が多いのですが、ご自身はどうお思いですか？」
「嬉しいね。
赤い薔薇は愛や美の象徴のようなものだし」
嘘つけ。
この赤は、血の色と同じなのに。
「因みに花言葉は？」
「勿論知ってるよ。
レディに花束を贈るときは花言葉に因んで選ぶべきだ。
この薔薇は……紅色？
【死ぬほど恋い焦がれています】なんてロマンチックだよね」
もう随分と花言葉なんて使ってない。
使った相手も一人しかいない。
花言葉だってその相手の為に必死に覚えたんだ。
その後もインタビューは続いた。
俺は無理矢理貼りつけた笑顔で俺の言いそうなことを言うだけ。
ただただ苦しかった。
「最後に集合で撮りまーす！」
なんとか笑顔を貼りつけて、みんなに迷惑を掛けないよう頑張った。
いつも通り笑えているみんなが羨ましかった。
「ありがとうございましたー！」
ああ、やっと終わったのか。
ふと、セットの花が目に入った。
ワスレナグサの花言葉を思い出す。
【私を忘れないで】なんて言える立場じゃないのに。
「ねえ、レンくん」
そう俺に微笑みかける顔をもう一度見たい、だなんて。
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儚霧(プロフ) - タナトフィリアさん» コメ有難うございます。ネタはあっても文章が纏まらないので死ぬほど亀更新ですが、精一杯頑張らせて頂く所存です。これからも宜しくお願いしますm(__)m (2018年7月8日 16時) (
レス) id: 4f1bc6d88e (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白いです！続きがとても気になります！更新楽しみに待ってます！ (2018年7月8日 13時) (レス) id: 41c9a6a89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：儚霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月14日 1時
