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*3* ページ4

初恋の相手が実は許嫁で、
4、5年ぶりに会えると知ったのが昨日。


ボスに長々と今後の活動に関しての注意や期待やお小言を言われたのが30分前。


「どうしたんだ、神宮寺。
らしくないぞ」

と、聖川に言われたのが今。

ちなみに今日の仕事とレッスンを終えて自分のベッドに寝そべっているところだ。
ランちゃんは仕事でいない。



「……そう見えるかい?」

「ああ。
Aのことか?」

「……」

「……図星のようだな」



勿論、聖川も聖川財閥の嫡男だからAのことは知っている。
ただ、聖川はAと俺ほど仲は良くなかったが。



「帰国してすぐのパーティー、か」

「聖川も出席するのか?」

「いや、俺は行かん。
出席するのは父上だけだ。
その方がお前も気が楽だろう」

「お前の気遣いには感謝するよ。
……で、どこまで知ってるんだ?」

「お前がAの許嫁だというところまでだ。
それより詳しいことは聞いていない」



単純に、どこまでこの情報が流れているのか気になっていた。
悪どいことを考えるやつに知られれば、すぐマスコミに流れる。
神宮寺財閥と桜糀財閥総出で阻止しているらしいから、情報漏洩は無いはずだが。



「俺はAが渡米してから一度だけ、見舞いに行ったことがある」

「?!
Aは……?」

「残念ながら面会謝絶でな。
父上から聞いた話だが、その頃は治療の影響で一人では動けなかったそうだ。
窶れた姿を見られたくなかった、らしい……」

「……そうか」



覚悟していなかった訳じゃない。
ほぼ完治したとしても後遺症が残るんじゃないか?
俺がAに会えず荒れていた時期、Aはどれ程辛い治療を受けていた?
無理矢理でも会いに行ったり、連絡を取ったりする手段は無かったのか?







俺にAの許嫁を名乗る資格があるのか?







暗闇の中に一人取り残されたような恐怖心が芽生えた。


その間にも、刻々とパーティーの日付は迫ってくる。

*4*→←*2*



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儚霧(プロフ) - タナトフィリアさん» コメ有難うございます。ネタはあっても文章が纏まらないので死ぬほど亀更新ですが、精一杯頑張らせて頂く所存です。これからも宜しくお願いしますm(__)m (2018年7月8日 16時) (レス) id: 4f1bc6d88e (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白いです!続きがとても気になります!更新楽しみに待ってます! (2018年7月8日 13時) (レス) id: 41c9a6a89d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:儚霧 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年2月14日 1時

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