困った作家さん【ヒプマイ】 (ページ9)

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約束と心配ページ9

「はぁ…これでお互い様ですね」

『やられっぱなしは悔しいよ？どう？ドキドキした？？』

「小生を舐めないで頂けます？毎日ドキドキしてますよ？」

幻太郎は少しイタズラな笑みを浮かべてそう言った。

『なっ…！ドヤ顔で何言ってんの』

「しょうせ……俺はAさんが好きになってくれるまで諦めません。」

幻太郎が自分のことを"俺"という時は

心からの自分を見せる時。

Aはそれを知っていた。

だからこそ………

『はぁ……好きにしてみせてよ？私をさ』

「ええ、絶対に」

ーーーー

それから数週間後…

「Aさん…大事なお話があります。」

『な、なに…？』

幻太郎が真剣な顔つきで話しかけてきた。

「小生…ラップすることになりました」

『…は？』

「ラップバトルをします」

『ら、ラップ？ごめん、理解が追いつかん』

この時Aの脳内は料理で使うラップなのか

言の葉党の噂の"ヒプノシスマイク"のラップなのか

混乱していた。

「詳しく説明するとですね…小生はとある二人とチームを組んでシブヤ代表となり、ラップをします」

『…ん？それって…』

「頭の回転が遅いんですか？シブヤディビジョンです、シブヤディビジョン」

『まさかあれ？言の葉党の？』

「そのまさかです」

『それの！？シブヤ代表になんの！？幻太郎さんが！？……なんで！？』

「正直自分でもわかりませんよ…急に来たんです、組まないかって」

『誰に？』

「"飴村乱数"で検索を」

『おん………………この人？デザイナー？』

検索するだけで出てくる飴村乱数さん、流石です。

「そうですそうです」

『でもなんで幻太郎さん…？なんでこの人が…？』

「まぁ…色々ありまして…」

『…わかった、深くは探らないよ』

「ありがとうございます」

『でも…大丈夫なの？体とか…そもそもラップ出来んの？』

「作家を舐めないでください。動く韻辞典みたいなものですよ？」

『…まぁでも色々と気をつけてね？？応援はするから…自分たちの土地関わってくるし。』

「…わかってますよ、後々詳しい情報が回ってくると思うので見てみてください」

『うん、わかった』

なんだか幻太郎が遠い存在になってしまう気がして

心配になるAだった。

「大丈夫ですよ、そんな心配そうな顔しないでください？」

『してないってば…！！まぁでも本当に…気をつけてね…？』