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「…まっすー?」
誰もいない中庭に着いて、座るとやっとまっすーの顔が見れた。ちょっと怒ってる?
「…ごめんって、強引だったかもしれないけど、まっすーと会いたかったんだもん! そんなに怒んなくていいでしょ!」
「手越って有名人なんだね」
「…え?あたし?」
「うん。体育の時俺に投げキッスしたでしょ? みんな、手越祐子だ手越祐子だって。ちょー冷やかされた。今だってさ」
「あぱー、可愛すぎて有名人なんだね!」
「……さらし者みたいになるから、やめた方がいいよ、そういうの」
「あたしは気にしないよ! こういう髪色だし、あと可愛いしさ、慣れてるから! 」
可愛い可愛いって言ってくれる人も多かったけど、そのぶんからかわれたり、悪意を向けてくる人だって少なくなくて。
気にしない!って思ってたら、本当に気にならなくなったんだもん。
「俺は気にする」
そうやって笑い飛ばそうとしたら、鋭い目付きでそう言い放った。ちょっとドキッとする。
まっすー、じゃなくて、増田先輩、って呼びたくなるような、男っぽいかお。
「…気にしないでよ、あたしが気にしないって言ってるんだから!もー、早く食べよう?」
「もう食ったわ」
「え!?いつの間に!?」
いつ食べる隙間あったの!? たしかにまっすーの手には空のビニール袋ふたつと、あとあたしが持ってきた飲み物もちゃっかり!
「持ってきたんでしょ?お弁当は?」
「まだ食べるの!?」
「余裕」
あたしが持ってきた(ほぼシゲが作った)お弁当を、ばくばく食べ始めるまっすー。
さっきとは一変、きらきらした表情でおっきな口で頬張る表情が可愛くて、じっと見ちゃう。…やばいかも。
「ご馳走様でした」
「はや!!」
…ほんとに好き、かも。
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わらびもち(プロフ) - ゆりさん» ゆりさん、コメントありがとうございます…! 書きながらシゲに感情移入しすぎて泣きそうになっていました…(?)あたたかく見守ってくださると嬉しいです!! (2019年12月16日 20時) (レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - こんにちは!とても素敵なお話をありがとうございます。まっすーと結ばれて欲しいけれど、シゲも幸せになって欲しい、と少女漫画なNEWSを楽しく拝読してます! (2019年12月16日 6時) (レス) id: ce09a2a995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらびもち | 作成日時:2019年12月14日 22時