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「ごめんな、ちょっと持ち上げるよ」
目をぎゅっと瞑り、高熱の苦しさに耐えるのに必死であろうてごちゃんに声をかけてからベッドに運ぶ。
…少し前に感じた体重よりもさらに軽く感じて、胸が痛んだ。
体温を測るとほぼ40度、、、インフルかもな。
ひとまず冷えピタを貼ったり布団を増やしたりしていると、
少しだけ目を開けたてごちゃんの頬を、涙が伝った。
「…つらいな、」
変わってあげられたらいいのに。
せめてもの思いで涙を指で拭ってやると、
ベッド脇に腰掛ける俺の方に緩慢な動きで顔を向けた。
「……どうした？ なにか、してほしいことある？」
優しく声をかけただけなのに彼女はもっと、涙を溢れさせた。
「泣いたら苦しくなるぞ、もーー」
ハンカチを持ってきて顔を拭ってやる。
真っ赤でリンゴみたい。
「けぇ、ちゃん……っ」
「はいはい、慶ちゃんですよ」
「あたしっ……だれかをすきになったら、だめなのかなぁっ…」
「え…？」
「みんな、傷付けちゃう……っ、もう、やだっ……どうしたらいいのか、わかんな、い……はぁ、はっ…っ」
「どうしてそんな…」
「あたしなんか、っはぁ、っ、消えちゃえばいいんだっ……消えたいよ……っ」
「てごちゃん…っ！」
起き上がってパニックを起こし過呼吸になりかけてしまうてごちゃんにたまらなくなって、布団に乗り上げて抱き締める。
「何があってもそんなこと言うな。もう二度と。みんな、てご…祐子のこと大好きだから。大好きだから、上手くいかないことだってあるんだよ」
「はぁっ、、はっ……、っ、大好きだ、から…？」
「何があったか知らないけど、祐子が自分を責める必要なんてない。
…俺の大好きな人を、傷つけるな。これ以上…っ」
「……っふ、ふぇぇっ………ひっ、く、っ」
ひとしきり泣いた後、意識を失うように眠ったてごちゃん。
寝かしつけてやろうとするけど、俺の白衣をがっしり掴んで離さないんだよ、困ったな…
そしたら、いきなり保健室の扉が開いて息をのむ。
「小山…祐子、どう？ …あれ、いないの？」
シゲ…！
静かな足音は徐々に近づき、証拠隠滅もむなしく、カーテンが開かれた。
てごちゃんの上着と鞄を持ったシゲが、目を丸くして立っていた。
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わらびもち(プロフ) - ゆりさん» ゆりさん、コメントありがとうございます…！ 書きながらシゲに感情移入しすぎて泣きそうになっていました…(？)あたたかく見守ってくださると嬉しいです！！ (2019年12月16日 20時) (
レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - こんにちは！とても素敵なお話をありがとうございます。まっすーと結ばれて欲しいけれど、シゲも幸せになって欲しい、と少女漫画なNEWSを楽しく拝読してます！ (2019年12月16日 6時) (レス) id: ce09a2a995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらびもち | 作成日時：2019年12月14日 22時
