【2434】エデン組の6人目・掃除屋（？）の姉様【edn組】

.デビュー数ヶ月前 ページ4

デビュー数ヶ月前


アクシアさんに連れられて
オーディション用に書類と音源を送った時のことを思い返していた。

何をすべきか分からず、ほぼ彼からの助言に従っていただけだ。

今でも何故彼の提案に乗ったのか分からないが、
ただアクシアさんがあまりに楽しそうだったのと、
私自身、人生の転機を期待していたのが決め手だったのかもしれない。



────しかしながら、
まさか本当にデビューが決定できるとは。



以前から少し配信を追うようになっていたにじさんじで、
しかもエデンからの6人組でのデビュー。


喜ばしいことには変わりないが、
現実感は感じられなかった。


《アクシア :
A、連絡来た？ やったね》


スマホの通知がピコンと鳴った。

アクシアさんだ、と
画面を見つめて息を吐く。


《A:
来ました。
皆でデビューできて本当に良かったです。》


アクシアさんありがとうございます、と続けて打つ。

彼のおかげで、素敵な４人にも会うことができた。


アクシアさんの紹介のおかげで
何度かは直接顔を合わせ、少しは親交を深められたと思うが、
実際どう思われているかは分からない。


皆、警察官や科学者博士、教授、用心棒と
多彩ながら立派な職業に就いた人達ばかりだった。


自分も清掃業、と名乗ったが、
もちろん嘘ではないし、表向きには立派な職業だから
大丈夫…………大丈夫か？


『…………まあ、どうにかなるかあ』


ひとり暮らしが長くなると独り言が多くなる。

ぼやきながら啜るお茶は温く感じられたが、
それでも美味しかった。

同期のグループラインでも
「デビュー決定うれしいですね」「これからさらに頑張りましょう」
といった言葉がピコピコと発信されていて、

私も同じような言葉を返した。

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