驚愕 ページ38
屋根裏のスペースは非常に狭いが、
かろうじて２人用のテーブルを置ける程度の空間はあった。
私とゾムは、食堂から取ってきた
魚の香草焼きを食べていた。
カトラリーと陶器がカチカチと音を立てている。
正面を向けば、
バジルソースを口に付けたゾムの姿が視界に入る。
肩をすくめながら、
私はナイフを置いた。
左手に握られたフォークを見せつけるように
ゾムの前に掲げた。
『ゾム、フォークの握り方が乱暴すぎる。
こう握るんだよ。
口も汚れてる、もっと丁寧に食べて。』
「あ？ あぁ……こう？」
『そうそう。』
ぎこちなくはあるが、
気持ち上品に見えるようになったゾムの手つきを確認してから、食事を再開する。
こうしてゾムと向かい合って夕食を摂るとはな、と
今更、我ながら驚いてもいた。
私はゾムと初めて
まともな会話をした日のことを思い出す。
──彼を捕らえた夜から数日間。
その間は、ゾムの身体から毒が抜けて
まともに話せるようになるまで、
我々自警団は交代で地下室まで降り、
彼の様子を見に行っていたのだった。
私と彼が言葉を交わしたのは、
その２日目、
自分の当番の時間がやってきた日のことだった。
コツコツ、と傾斜のきつい階段を降りて、
私はそっとゾムに声を掛けた。
宿屋の地下室は暗く、
彼の姿はまるで見えなかったが、
微かな息づかいは聞こえる。
『……おーい、起きてるか？』
まあ、そう言っても心の中では、
起きてる訳ないか、と安心しきっていた。
何せ、あの毒の効果は
かなり長期間にわたる、と聞いていたからだ。
この段階では、
まだ彼の意識が戻るはずはなく、
まだ眠っているだろうと思いつつ問いかけただけだった。
しかし、予想は外れる。
暗闇から返ってきたのは、くぐもった男の声だった。
「出せ。」
血の気が引く。
その無言の圧力を前に、後ずさった。
視線の先には血走った若緑の眼だけが爛々と光っている。
相当強力な毒に抵抗して、
ゾムは意識を取り戻したということか。
凄まじい男だ、と唾を飲み込む。
ただ、彼のみなぎる警戒心と殺気も
十分恐ろしいものであったが、
私が恐れたのは、その横。
久々に現れたレーダーチャートだった。
〈ゾム 男〉
体力 S+
筋力 S
瞬発力 S+
知力 B
教養 E
魅力 A
魔力 C
状態異常:毒
────ええええ〜〜〜〜〜〜ちょっと
は〜〜〜〜〜！？！？！？
コイツも！？！？？？？
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サツキ(プロフ) - ひいいん😭何度読み返しても素敵な作品です（ ; ; ）のんびり更新待ってます‼️ (10月25日 3時) (
レス) @page40 id: 59b14c1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - めちゃめちゃ好きで先が楽しみです！！更新楽しみに待ってます！ (8月17日 15時) (レス) @page40 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛2℃(プロフ) - 更新ありがとうございます。お待ちしておりました。とても面白くて文に厚みがあって素敵です。これからも楽しみに待っております。 (2023年4月5日 15時) (レス) id: 7a92f90d7d (このIDを非表示/違反報告)
ユズ(プロフ) - 更新ありがとうございます〜!!!!!まじでずっと待ってました!!!!これからも頑張ってください!!!鬼面白いです!!!! (2023年3月29日 20時) (レス) @page39 id: 05561d72b4 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - 更新ありがとうございます！この小説めっちゃ面白いです！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page39 id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そね
| 作成日時：2020年6月8日 23時
