得意面 ページ3
『どうする？』
「脈、取ってみるか？」
『…………いや、なんか怖いなあ。
シャオロンやってくれよ。』
「よし！」
ふん、と勢い良く、
シャオロンは青年の首を掴む。
それはもう、ガッシリと両手で掴んでいる。
流石に冷や冷やしたので、
おいおい、と止めに入った。
『シャオロン
脈拍は手首で取った方がいいぞ。
そんなガッシリ他人の首掴むか普通？』
「ええやん、別に。」
『…………脈はあんの？』
「分からん。」
『わかんねえのかよ。』
普通に驚いて、大きな声を出してしまった。
────すると、それが原因だったのか。
「…………うぅ。」
青年は、ゆっくりと瞼を開いた。
シャオロンは、おお、と言って首から手を離し、
私は狼狽して、少し距離を取る。
仰向けになっている青年は、
静かに辺りを目で探っていた。
不思議なことに、
彼は虹彩も瞳もほとんど真っ白に近い。
若干、真珠のような反射があるから、
白目と区別は付くけれども。
石像のようだなあ、とまた感心せざるを得なかった。
「起きたな！
脈取って良かったやん、ほら！」
『脈取ったの関係無いよ。』
「えっと、あの。
…………私、助かったんですか。」
青年は、徐に上体を起こし、
ぼんやりと問いかけてきた。
寝ぼけているようにも見えた。
実際は、寝ていたのではなく失神していたのだから、
そんな呑気なものでもないだろうが。
初対面にも関わらず、
シャオロンは遠慮なしにバシバシ背中を叩いた。
「まあな。
でも礼はいらんぞ！」
そのまま、彼は勢い良く
私の肩を叩きニカッ、と笑う。
「俺達、生徒を守る自警団やからな！！」
『まだ入団してないだろ、お前。』
彼に冷めた視線を向けるが、
シャオロンはフン、と得意気に顔を上げるだけだ。
「まあ、どうしてもって言うんやったら
称賛の１つや２つ、受け取らんでもないけどな。」
シャオロンの言葉を聞いてハッとしたのだろうか。
困惑した様子の青年は、私達に頭を下げてきた。
わざわざ床に正座して座り直し、
ペコリと額を地に着ける。
「あっ、ありがとうございました。
あのままだと、私は窒息してたと思います…………
何とお礼を言ったら良いか────」
『いやいや、本当に大丈夫なんで。
頭上げて頭上げて。』
「そうやぞ。
流石に、ちょっと床に頭擦りつけんでも。」
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サツキ(プロフ) - ひいいん😭何度読み返しても素敵な作品です（ ; ; ）のんびり更新待ってます‼️ (10月25日 3時) (
レス) @page40 id: 59b14c1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - めちゃめちゃ好きで先が楽しみです！！更新楽しみに待ってます！ (8月17日 15時) (レス) @page40 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛2℃(プロフ) - 更新ありがとうございます。お待ちしておりました。とても面白くて文に厚みがあって素敵です。これからも楽しみに待っております。 (2023年4月5日 15時) (レス) id: 7a92f90d7d (このIDを非表示/違反報告)
ユズ(プロフ) - 更新ありがとうございます〜!!!!!まじでずっと待ってました!!!!これからも頑張ってください!!!鬼面白いです!!!! (2023年3月29日 20時) (レス) @page39 id: 05561d72b4 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - 更新ありがとうございます！この小説めっちゃ面白いです！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page39 id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そね
| 作成日時：2020年6月8日 23時
