上杉告白大作戦！ (ページ8)

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上杉side

想いを伝えると意気込み、早めに家を出た。

秀明の近くに差し掛かると立花の後ろ姿が見えた。アイツ、こんな早くに来てるのか？

ここで声を掛けるのは少し遠いので、ズンズンと近づいていった。

ある程度の距離を保てたところで立花を呼ぶ。

「立花。」

すると彼女の肩はビクッと揺れた。でも、こちらを見ないのでまた無視をしているのかと思い、もっと近づいていく。彼女は歩くのが遅いのですぐに追いつき、肩に手をのせる。

「立花、無視すんなよ。」

立花は申し訳なさそうな顔をしながら、こちらを振り向く。すぐになぜか、顔を赤くする。気づかないフリをして言葉を続ける。

「遠くに立花らしき人が見えてさ、近くに寄ってみたらやっぱり立花だった。だから呼んだのに無視ってどういうことだよ。」

どうしても声は不機嫌な感じになってしまう。立花はそんな俺を見てクスクス笑っていた。だがまたなぜか顔を赤くする。今度こそは本気で心配する。

「おい、顔赤いぞ。大丈夫か。熱あるのか。」

彼女は照れたような笑みを浮かべた。

「ううん、大丈夫。」

そして、ニッコリ笑った。その顔がかわいすぎて、見ることができず、ツンと横を向く。顔が熱くなってくるのが自分でも分かる。

「あの、上杉君。」

彼女の俺を呼ぶ声にすぐに反応して振り向く。顔はまだ熱い。

「なんだ。」

優しさのかけらもない言葉が出る。俺がもう少し優しかったら、そんなことももう何回も考えた。

「今日の秀明の後、一緒に帰れないか…な。」

立花はどんどん俯き、スカートの裾をキュッと掴む。顔も赤くなっているようだった。そのかわいい立ち姿に一瞬見惚れるが、何事もなかったように声をかける。

「ん、いいぜ。俺も丁度一緒に帰りたいっておもってたし。」

少し呆気に取られたような顔でこちらを見る。そんな顔でさえも好きだと思ってしまう。顔が熱くなっていくのを感じ、慌てて言葉を発する。

「と、とにかく秀明終わったら玄関で、な。」

すぐに背中を向け秀明に向かった。