検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:29,128 hit

7 ページ7

家に帰ってまたすぐに家を飛び出し早足で秀明に向かった。

うーん、取り敢えずまずは秀明についたら玄関で待ってみようかな。

もし無理だったら仕方がない。公衆電話で上杉君にかけよう。


「立花。」


え、私?遠くから聞こえてきたので、私じゃないのかもと思い、振り向かなかった。

途端に足音が聞こえてきてそれはすぐ私に追いついたと思うと、肩に手がのせられた。


「立花、無視すんなよ。」



振り向くとそれは、私の大好きな上杉君がいた。かああっと頬が熱くなる。


「遠くに立花らしき人が見えてさ、近くに寄ってみたらやっぱり立花だった。だから呼んだのに無視ってどういうことだよ。」

そう言って少し不貞腐れてる上杉君はいつもの上杉君だった。思わず、クスクス笑う。

やっぱりそういうところ、好きだなあ。

改めて上杉君を意識すると再び顔に熱が集まった。今度は上杉君も気づいてしまった。


「おい、顔赤いぞ。大丈夫か。熱あるのか。」


「ううん、大丈夫。」


そういい、ニッコリ笑った。

すると上杉君はツンと横を向いた。形の良い顔のカーブに赤みがかかっている。かわいい。

あ、今日の秀明の後一緒に帰りたいって言わなきゃ。


「あの、上杉君。」


すぐこちらを向いてくれる。顔はまだ、ほんのり赤かった。


「なんだ。」


言葉は少ないけど、その言葉の中にたくさんの優しさがつまっている。


「今日の秀明の後、一緒に帰れないか…な。」


言っていくうちに、どんどん自信がなくなって俯いていく。スカートの裾をキュッと握った。頬もどんどん熱くなっていく。


「ん、いいぜ。俺も丁度一緒に帰りたいっておもってたし。」


え、と思い顔をあげる。そこには少し口角を上げ、自信げに見える上杉君の顔があった。その顔はすぐに赤くなっていく。


「と、とにかく秀明終わったら玄関で、な。」


そう言いさっさと去っていった。

8→←6



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たちばなあや | 作成日時:2018年4月23日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。