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家に帰ってまたすぐに家を飛び出し早足で秀明に向かった。
うーん、取り敢えずまずは秀明についたら玄関で待ってみようかな。
もし無理だったら仕方がない。公衆電話で上杉君にかけよう。
「立花。」
え、私?遠くから聞こえてきたので、私じゃないのかもと思い、振り向かなかった。
途端に足音が聞こえてきてそれはすぐ私に追いついたと思うと、肩に手がのせられた。
「立花、無視すんなよ。」
振り向くとそれは、私の大好きな上杉君がいた。かああっと頬が熱くなる。
「遠くに立花らしき人が見えてさ、近くに寄ってみたらやっぱり立花だった。だから呼んだのに無視ってどういうことだよ。」
そう言って少し不貞腐れてる上杉君はいつもの上杉君だった。思わず、クスクス笑う。
やっぱりそういうところ、好きだなあ。
改めて上杉君を意識すると再び顔に熱が集まった。今度は上杉君も気づいてしまった。
「おい、顔赤いぞ。大丈夫か。熱あるのか。」
「ううん、大丈夫。」
そういい、ニッコリ笑った。
すると上杉君はツンと横を向いた。形の良い顔のカーブに赤みがかかっている。かわいい。
あ、今日の秀明の後一緒に帰りたいって言わなきゃ。
「あの、上杉君。」
すぐこちらを向いてくれる。顔はまだ、ほんのり赤かった。
「なんだ。」
言葉は少ないけど、その言葉の中にたくさんの優しさがつまっている。
「今日の秀明の後、一緒に帰れないか…な。」
言っていくうちに、どんどん自信がなくなって俯いていく。スカートの裾をキュッと握った。頬もどんどん熱くなっていく。
「ん、いいぜ。俺も丁度一緒に帰りたいっておもってたし。」
え、と思い顔をあげる。そこには少し口角を上げ、自信げに見える上杉君の顔があった。その顔はすぐに赤くなっていく。
「と、とにかく秀明終わったら玄関で、な。」
そう言いさっさと去っていった。
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作者名:たちばなあや | 作成日時:2018年4月23日 18時