王の器_____�� ページ7
リムルに着いて行き、凡そ数ヶ月が過た頃、私達は洞窟を脱した。
転送魔法を使えば一瞬で脱出できたけど、この洞窟はリムルの戦闘訓練場にとても適していて、私は鬼教官の如くビシバシ鍛えていた。
内容としては、ヴェルドラの漏れ出た魔素からB〜A弱の魔物が大量に発生しており、それらの生物をリムルに討伐させるということが主だった。
彼の成長の速さには驚かされてばかりであった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
大森林を散策していたら、魔力感知に数十名の魔物が引っかかった。
魔力感知を持っているリムルも気づいているだろう。顔が険しくなった。
「リムル殿、貴方は十分強くなった。私も認めている。今近づいてきている者共など取るに足らない奴らです。ご安心を」
気を利かせてトリシェが言ってくれたようね。
リムルとなじめてないんじゃないかと心配だったけど、考えすぎていたみたい
「すまないなトリシェさん心配をかけて」
「いえ、お安い御用です」
二人は微笑みあって友情が芽生えた様だった。
が、次の瞬間、そんな二人の雰囲気を壊すかのように例の魔力感知に引っかかった魔物が現れた。
魔物の正体はやせ細った身体にボロボロの装備の”ゴブリン”であった。
剣を構えているものの表情は怯え、何かをこちらに尋ねたそうな顔をしている。
「グガッ、強キ者ヨ…。コノ先ニ、何カ用事ガ、オアリデスヵ？」
話しかけてきた。口調から敵意は無さそうね
「大丈夫、敵意は見受けられないから
普通に話してみたら？」
私がそう言うとリムルは安心した様に一息を付き、ゴブリンの方向に振り向く。
「初めまして、でいいのかな？ 俺はスライムの、リムルという。」
リムルがそう言うと木々が、大地が震えた。
リムルはゴブリンの人数を踏まえ、声を大きくしたんだと思うけど、大き過ぎる。嫌な予感がしたから私とトリシェは事前に耳をふさいでいたからいいものの
ゴブリンは怯え、地に平伏している。
気のせいか波動が見える気がする。
「グガッ、強キ者ヨ！ アナタ様ノお力ハ十分ニワカリマシタ!!! 声ヲ沈メテ下サィ！！！」
平伏しているゴブリンの一人が恐る恐る顔を上げる。
「リムル、貴方もう少し加減と言うものを…」
「加減が上手くできなくて…す、すまん」
リムルに軽く溜息をつき、ゴブリンの方向に振り返る
「で、何か用ですか？私達はこの森に用はありません。森は通過する予定ですが？」
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作者名：姉系チート | 作者ホームページ：
作成日時：2019年8月25日 15時
