転生したらマギだった件 (ページ5)

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王の器_____Ⅳ ページ5

軽く結界を張り、魔物が近づけないようにし火をおこす。

明かりが灯ると、目の前には緊張の色を浮かべる『リムル』という名のスライムがよく見える。

「私の勝手な憶測であるけどスライムさん、貴方”異世界人”かしら？」

「！！」

私が目を細めて尋ねると、スライムさんは驚いた顔をした。

「貴方が言ったセリフ、聞き覚えがあってね」

(え！！じゃあ、じゃあ！貴方も異世界人なんですか？)

yesのつもりで頷くと、ずっと黙っていたトリシェが身を乗り出してきたが無視して会話を続ける。

「どうやってこの世界に来たの？」

(じ、実は＿＿＿)

スライムさんが言った話を要約すると、私の故郷でもある日本に住んでいて、通り魔に刺されて死んで、気が付いたらこの世界にスライムとして居たらしい

「召喚者は聞いたけど、転生者は珍しいわね」

(それヴェルドラも言っていました。それで、お姉さんはどこから来たんですか？)

「貴方と同じ日本よ」

(なんと！！)

驚き、嬉しそうにするすスライムさんを見ると、思わず顔が緩んでしまう。

千年の間、トリシェとしか会話をしなかったからか、会話が楽しくて仕方がない

(お姉さんはいつ頃こっちに来たんですか？)

「そうね...いつ来たかなんて忘れてしまうくらい遥か悠久の昔とでも言っておこうかしら」

(そうなんですか？とても若いし、てっきり数年くらいかと)

「この世界では見た目＝年齢と思わない方がいいわよ。力ある者なら何年でも生きることが可能だから」

(ほうほう、勉強になります。)

と、私とリムルは故郷の事やこの世界の事、そしてヴェルドラの事を一晩中語り合った。

それは私にとってとても有意義で、心躍る時間だった。