【歌い手】フラジール【そらる】【luz】

5話 Sweet or Sweet ページ6

luz side


二人が去ったカフェ

両手で頬杖を付きながらクルクルとレモンティーを掻き回す

透き通ってるはずなのにミルクティーみたいに濁って見えた

それに僕は、ミルクティーが甘ったるくて薄っぺらい色であまり好ましくない


____まるでさっきの″2人″みたいに


そらるさんを呼んでAちゃんを連れ去ったのは計算内だし、そうなってくれなきゃ困った

じゃなかったら僕がそらるさんを虐 めてるみたいじゃん！…


でも本当にあの2人は許し合えたのか？

勘違いだとして本当に上手く、また、恋愛を続けるのだろうか

僕には互いが偽善者にしか見えない


「そんな事言ったら怒られちゃうなっー…」


誰がどんな恋愛をしようと関係ないんだけどね



ふと、カフェテリアから見える位置に2人が話しているのが見えた

そらるさんの背でAちゃんは隠れていたけど、なんとなくしてることは察した


「…ストレートティーにすれば良かったかな」





無言でふたりを眺めていると、Aちゃんの様子が少し可笑しかった

いや、さっきから可笑しかったけど


早歩きでそらるさんの前に出て歩き出した


その素振り、そのはにかみは誰に向けられたものなのか




ｼﾞｯｰ





不意に視線を感じて振り向く



「……考え過ぎた____




____っと？」




僕は驚かず、そのままその影を出迎えた

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