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33話 静かな町の駅 ページ36

No side


誰もいない


それは言い過ぎだが、人が少ないのは確かだ

この時間帯にいるのは珍しいことではあろう


降りてく人々はそんなこと興味もないだろうが


『……』

「……」


隣同士に座る二人は口を動かさない


否、


動かさなくても分かるからだ



{ガタンゴトン____キィイイィッ


プシューッ


…ガヤガヤガヤ}



無限にループされるこの感覚にいつしか時間さえも分からなくなっていた


無言に、

駅の外を眺めることもせず、ただジッと奥を見つめる


ポンッ


今まで触れることのなかったるすの手がAの頭に乗った


くしゃり、


るすが後ろから手を回して撫でる仕草にAの甘えたい衝動は抑えられず肩に体重をかけた


____こんなとこ見られたらどうなるんだろう、、



カツーン、


カツーン、



不意に誰かの足音がヤケに耳元に残った

Aだけは瞳を暗闇の底に落とし、るすだけが気配ソレに気づいていた


キィイイィッ!!


「危ないですから、黄色い線の内側に___」


しかしそれは列車の音と共にかき消され、またるすも何も思わず考えもせず、


Aの頭に自分の頭を重ねた




各駅しか止まらないこの駅に強く風が吹くことはない


しかしそれは嘘かもしれない


たとえば


雰囲気にこの駅が合わせていたとしたら…



フワッッッッッ



緩い生温い風が時間表に寄りかかった

34話 信頼関係→←32話 待合室



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空蘭 - 37話の向かいは迎えじゃないですか?間違っていたらすみません!! (2017年4月24日 4時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
おにおん@そらまふるすつき - とてもわー(?)っとしながら読んでます!! これからも応援してます! がんばってください(о´∀`о) (2017年4月22日 22時) (レス) id: 7acac20a27 (このIDを非表示/違反報告)
空蘭 - 林檎さん» レスありがとうございます!下のやり取り面白いです! 凄く良い作品でしたよ!フラジールも凄く楽しみです!尊敬してます!これからも楽しみにしてます!頑張って下さい! (2017年4月21日 2時) (レス) id: 63d7861522 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 空蘭さん» そ「るっすー」る「なんですかー?」そ「あ、や、…なんでもないっす…」 そうです!あってます!!読んでくれて嬉しいです!ありがとうございます!! (2017年4月18日 22時) (レス) id: 9351c6d4fb (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - ちょこぷりんさん» 坂「……歩く18禁が2人も…」ま「てでんっ!問題です!18×18は!?」坂「歌う36禁=そらるさんとるすすんっ!!」ま「せぇぇえかいっ!!」る「ナニシテルの?クイズ?」そ「頼むからそれ以上聞くな」 色気がっ、耳がぁあってなりました!!ありがとうございます! (2017年4月18日 22時) (レス) id: 9351c6d4fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林檎 | 作成日時:2017年4月17日 7時

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