【歌い手】フラジール【そらる】【luz】

18話 雨天と晴天 ページ20

No side


『どうして、わざわざ待ち合わせの場所まで来たの』


敢えて骨定をして言ったA

向き合ったままるすは列車を見ながら話した


る「……あの場から抜け出すのが的確だと思って」


妙な説得力と、共感するとこがあり、それには認めた

しかし


『でもさ、____なんでわざわざ見せつけるようなことをしたの？降ろしてって言ったよ私』


ﾎﾟﾂ




ﾎﾟﾂ





屋根下に2人はいるため、2人の空気の音意外何も聞こえない

ただ景色だけ、景色だけ雲行きが怪しくなってきそうなのが分かった


Aの耳元で

″本当にAだけしか聞こえない声で″


る「……それはね…俺が意地悪したくなっただけだよ、」



あくまでもその予感

だから



『日向く____』

る「″雨″、降り始めたから行くね」


るすが去る背中をじっと見つめてお天気雨を前にしてAはまたも雨を降らせる

晴れなのに雨



____違うのにそうじゃない



今1番疑わなくてはならない人、それはAにとって簡単なことだった


ﾋﾞｼｬｯ!!

ﾊﾟｼｬｯ!!


水溜りを蹴って、るすの腕を取る

るすは傘をさしていたから濡れておらず、逆に濡れたのはAだった



『____そうやって、知らないふりしないで』



たかが友人の彼女

されど友人の彼女


Aはるすに目を合わせるようにした

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