振り向いて、顔を見て。 ページ31
向日「なあなあ!!A!今日のご飯お前作ったのか?」
炊事場で今日の晩御飯の洗い物をしていると、向日さんがこれでもか!!と言うくらいのキラキラした目で近寄ってきた。
「四天宝寺の皆さんと一緒に作りました」
向日「今日のやつすっげー美味かった!!」
向日さんに両肩をガシッと掴まれる。
今日のご飯が相当気に入ったのか、マシンガンのように晩御飯の事を延々と話し続けていた
「あ、ありがとうございます、、、向日さん、今日距離感グイグイですね」
向日「あ、わりぃ。肉出てテンション上がったミソ」
「あれ魚です向日さん」
向日「え、あれ魚なのかよ!?!」
「は、はい。魚をボコボコにして作りました」
向日「なんかよくわかんねぇけどあれまた作ってくれよ!!」
「いつでも良いですよ」
向日さんは相当テンション上がったのか、やり〜!サンキュ!自慢してくるぜ。と言って走り去って言ってしまった。嵐のような人だな…
洗い物をおえて、私は珍しく1人で砂浜の方に向かい、1人で黄昏れる。
夜だと意外と人は少なく、今いるのは私だけだった。
遭難して3日目になるが、救助の気配が全くない。
忙しくて3日間も経った実感が全然無いが、忙しい中でもバスケ部の事だけは絶対に忘れなかった。
(練習も見に行くって約束したんだけどな…)
本来のバカンス旅行は今日までだ。明日の夕方頃に着いていて、明後日には練習に一緒に出ている予定だった。
皆にはなるべく隠すように努めてはいるが、正直かなり寂しく何度か泣きそうになった。
その度に作業をして気を紛らわせていたツケが今になって回って来そうな雰囲気だ。
まだ…まだ耐えれる。
つぐちゃん何てお父さんの安否が分からないのにあんなに頑張ってるんだから。
今はまだ、頑張るしかないと必死に堪えた。
?「A」
考える事に集中しすぎて、突然話しかけられたその声に驚いてしまう
?「ちょっといいか?」
声の主は切原君だった。
珍しく真面目な声のトーンで私の後ろに立っている。
顔を見たら涙目がバレてしまう可能性があるので、かるーく目を擦ってから
「ん、どうしたの?」
いつも通り、振り向いた。
顔を見た。
切原君の表情は私が思っていたより
かなり真剣な表情だった_________
想っていること・・・【切原赤也side】→←炊事当番・・・【忍足謙也】
83人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あぽろろろろろ | 作成日時:2020年12月2日 3時