ドキドキするのかわかんないサバイバル。 (ページ13)

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ファルトレクページ13

夜ご飯も終わり自由行動

私はボーっと海を眺めて考え事をしていた。
かつて男子バスケ部のマネージャーをしていた時に書き綴ったノートとにらめっこして早1時間経った。
静かに繰り返される波の音が作業用BGMとなっていた。

(んー…折角なら海と山の地形を生かしたいよね…)

いつもならネットや本で筋トレ基礎トレについてを調べるのだが、生憎ここは無人島。
ネットの回線や本なんてある訳もなく、今まで調べた知識から引っ張り出して応用するしかなかった。
自分の中で案は出ていたが、1つ問題があった。

(跡部さんと観月さんに提案して聞いてみようかな)

ー･･･

「跡部さん、観月さん」

観月「どうしたんですかAさん」

真面目な顔で話し合っていた観月さんがﾌﾜｯと顔を和らげる。
跡部さんも観月さん同様こちらを見ていた。

「昼間の練習メニューの件なんですが…」

ノートを開いて机の上に置く。
私が開いたページは"ファルトレク"について書かれたページだ。

ファルトレクとは…

不整地な場所を20～60分程度速く遅くのペースを繰り返して走るマラソントレーニング法
直線的に走れないクランクなどを走り続けるトレーニングで、スタミナとスピードを効率よく強化できる練習法である。

跡部「ファルトレクか…」

観月「Aさんナイスアイデアです。ただ走るよりは効率がよいでしょう」

「ただ1つ問題があって…この練習確かに効果は出やすいですが、不整地な分慣れてないと捻挫したり、やりすぎると効果が薄れます。自分の体力と相談してやらないと逆効果になるんです」

跡部「確かにあいつらの性格じゃあ1人はやらかすだろうな」

「鬼ごっこ制にして制限時間終了時に鬼だった人にペナルティつけてもいいと思います」

観月「ﾝﾌｯAさん貴方かなり鬼ですね」

「選手時代の鬱憤です」

跡部「俺達で発散してどうする」

そう、決して私がやる訳じゃない。
みんな頑張って。つまり他人事である。

跡部「よし、こいつを取り入れよう。観月スケジュールに書き込んでおいてくれ」

観月「わかりました」

よくやったな。と跡部さんが私の頭にポンッと手を置く。
恥ずかしさを目を逸らして誤魔化したが間違いなくバレてるであろう。観月さんはニヤけていた。

「あ、跡部さんと観月さんもやるんですよ」

ジト目で伝えると、当然と言わんばかりに2人がうなずく。
ちょっとは絶望してくれてもいいのに…この気持ちは私の中で秘めておこう。