不眠(^-^) ページ16
私とつぐちゃんが眠りにつこうとしていた中、その雰囲気を破ったのは彩夏だ。
彩夏「ねえ、皆格好いい人達ばかりだと思わない？」
何言ってんだお前。
思わず突っ込みたくなった。遭難して無人島に漂着している人の視点ではない。そんな所も彩夏らしくて私とつぐちゃんは思わず笑ってしまった。
彩夏「何で笑うのよ〜…」
「だってこんな状況でそんな事言うからおかしくなっちゃって」
彩夏「こんな時だからよ。危機的状況の中で芽生える恋ってやつ!」
つぐみ「すぐそっちに結び付けるんだから…」
基本何言っても優しく返してくれるつぐちゃんが今回ばかりは呆れて苦笑していた。
そりゃそうだ。父親が行方不明、自分も遭難。そんな時に恋なんてしてられる訳が無い。
彩夏「で、2人はタイプの人いた？」
ニヤニヤしながら聞いてくる彩夏は、完全に人の恋路を面白がっていた。
彩夏「隠さなくていいって。皆気になってる人いるんでしょ？」
この手の話を始めた彩夏はかなりしぶとい事を私とつぐちゃんは知っている為、私は必殺寝たフリを使ったが…
彩夏「ちょっとA〜？寝たフリしたって無駄よ。貴方結構色んな人と話してるの知ってるんだからね！Aは跡部さんかな、？」
「断固否定」
彩夏「ほーらやっぱ起きてるじゃない〜」
まさか彩夏にハッタリをかけられるとは思っていなかった。こういう時だけ頭の回転良くなるのは彩夏あるあるだ。
つぐみ「自分はどうなの？」
彩夏「うっ…」
「自分だけ離さないで他人のは聞く。そんなムシのいい話何てないのよ〜」
彩夏「ちょっとA楽しんでるでしょ？」
「んー、彩夏もかなりお喋りしてたからなぁ〜、亜久津さんか千石さん辺りかなり見かけたな〜？」
彩夏「ち、違うわよ！！」
彩夏の顔がみるみるうちに赤くなる。
この2人のどちらかまでは確定ね。見たところ亜久津さんの扱いは結構上手いし、千石さんは女の子に対する姿勢が柔らかくていいし、お先明るい感じがした。
「つぐちゃんは〜…」
つぐみ「Aはこういう時に鋭い勘と観察眼あるから無駄よね。私はね…」
私から暴露されるより自分から出た方がいいと感じたのか、つぐちゃんの口から出た人物はとても意外で私と彩夏は驚きを隠せなかった。
その後恋愛トークが盛り上がってしまい、秘密がなくなった2人はスッキリして眠りにつけたものの、2人の恋愛に頭を悩ませた私は中々眠れなるのであった______
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作者名：あぽろろろろろ | 作成日時：2020年12月2日 3時
