3話 ページ20
智君は顔を上げると、ふわりと笑った。
｢･･････あんがと｣
お礼が返ってきてほっとした。
｢使ってくれる？｣
｢うん｣
胸を撫で下ろした私が笑うと、智君もまた笑ってくれた。
でも、私ったらどうしたんだろう。
安心していいのに、胸が晴れ切らない。まだ智君があの部屋を使ってないせいなのかな。軌道に乗れば安心出来るのかな。
私のしたこと、間違ってないよね･･･････？
御礼を言ってくれた智君だったけど、私が空けた部屋に智君が仕事道具を持ち込むことはなかった。
しいていうなら･･････タバコ部屋になった。
今までベランダで吸っていたのが、室内になった。
･･･････使ってくれてるのはありがたいんだけど、思ってたのと違う･･･････。
･･････近頃大詰めの作業に入った繊細な状態の木鼻を、作業途中でここに移動させることは出来ないというのは了解していた。
けれど、他にも木鼻は作っていて、最終工程にまでまだいっていないものや、道具の手入れになんかだったらこの部屋は使えるし、鍛練や、趣味である絵を描くことにも使えると思っていたんだけど、智君はそのどれにも使わなかった。
なのに、家に帰ってくるのが前より更に早くなった。
どうして？
楽をさせてあげたかったのに、結果前より無理をさせている現状に私は途方に暮れた。
･･････いらないお節介だったのかな。
何もしない方が良かったのかな･･･････。
智君と暮らすのは、何もかもが楽しかった。
相葉さんと二宮先生も、そしてマユミさんも、結婚してからはぱたりと来なくなっていて、まさに二人の愛の巣だった。
･･･････けれど今、諸手を上げて楽しめない自分がいた。
･･････智君は、私と暮らすようになったことで、今までとペースが変わってしまって、無理をしているんじゃないのかなって、それが気になって心から喜べないの。
結婚式をいよいよ10日後に控えた6月のある日の日曜日、智君は朝から人に会うと言って出掛けていた。
雨だけど、智君が出掛けている間に傘をさしてスーパーに買い物に行こうと家を出たら、ちょうど階段を降りてきた二宮先生と出会った。
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ao(プロフ) - のりさん» のり様こんにちはー。今日までおつきあい下さいましてありがとうございました。いよいよ最終回をアップさせました。最後まで仲のいい二人。幸せな様子を御覧下さいませ〜。 (2020年8月18日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» kei様こんにちは。私も終わるのは寂しいですが、この二人はもう揺るぎない愛を手に入れて、何があっても大丈夫だなと太鼓判を押せたから終わりを迎えたと思っていただければ。最終回アップさせましたのでお待ちいたしております。 (2020年8月18日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 智恵里さん» 智恵里様こんにちは！最終回アップさせましたよ。男前な智君が最後まで御覧いただけると思います。是非遊びに来て下さいね〜。イチャイチャしてます(笑)。 (2020年8月18日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - 次回最終回なんですね( ；∀；)幸せな2人をもっともっと見ていたいです。寂しいけど楽しみにしています(^^) (2020年8月16日 18時) (レス) id: ad0691ba18 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 最終回…寂しいけど楽しみです でもやっぱり寂しいなぁ。 (2020年8月16日 16時) (レス) id: f23aca24b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年7月6日 16時
