2話 線引き ページ2
もちろん私だってジェラシーは感じてます。
感じてるんだけどね？
｢私の中で線引きしたからとりあえず大丈夫ですよ？｣
｢線引き？｣
｢･･････秘密ですけど、あることが起こらなければ後は目をつむって、ヤキモチも我慢しようって決めたんです｣
西田さんは首を傾げた。
｢あること？ なにそれ｣
私は仕事のファイルを出しながら首をすくませた。
｢内緒です。･･････話したら西田さん、みんなに話したくなりますもんね？｣
西田さんを含む、先輩女性社員で構成されたお姉様連の結束が強いのはもう十分身をもって知っている。
お姉様達は全員が智君に恋をした経験があった。
それ故か何なのか、そのお姉様達は私と智君のことをいちいち知りたがって来る。初デートに隠れて着いて来ようとしたり、初夜の内容を私に喋らせようとしたり。
一応、私達の恋を援護しようともしてくれる。
けれど、なにぶん好奇心が強くていかんともしがたい。私達のことで萌えるのが三度の飯より好きなのだ。
今話したら、今日の終業時間には全てのお姉様が知ることとなる。へたらしたら社内全部に知れ渡る。
西田さんは｢言うじゃないの｣と鼻で笑った。
でも、仕事を始めながら言った。
｢ものわかりがいいのは一見いい彼女だけど、それは大野君にとったらどうなのかしらね？｣
｢え？｣
｢さっき、ヤキモチを我慢しようって言ってたわね？｣
｢あ、はい･････｣
西田さんは領収印を引き出しから出すと、スタンプの蓋を開けながら言った。
｢我慢しようって言ってる時点で妬いてるのも同然だし、線引きしたからとりあえず大丈夫だとも言ってたけれど、本当に大丈夫な人は、自信満々に大丈夫だなんて言わないものよ？｣
｢え･･････｣
｢行くわよー、それっ｣
私が固まるその前で、西田さんは得意の高速判押しをダダダダッっと目にも止まらぬ速さで始めた。
つぎつぎに、領収印が押されていく領収書。
相変わらず凄いスピードだ。
でも私はにわかに胸騒ぎがし始めて落ち着かなくなった。
西田さん、それはどういう意味ですか･･････？
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ao(プロフ) - さとりさん» さとり様こんにちは！好きの溢れるとっても幸せなコメントをありがとうございました。思わずにやけちゃいました。また萌の詰まった幸せなお話を書きたいと思えました。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2020年4月10日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様こんにちはー。私もロンバケの二人は平和で可愛いので大好きなお話です。また機会があったら是非とも書いてみたいと思っています。嬉しいコメントをありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。読んで下さってありがとうございます〜。最近の智君のビジュアルほんと素敵だと思いません？あのビジュアルを想像しながらお話作ってます。相変わらず手洗いソングとワンラブリボーンを鬼リピしてます。近々また更新しますからねー！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちは！私もお姉様好きです。お話を面白くしてくれるので感謝もしてます(笑)。オフィスものはスイスイ書けるので、書いててストレスフリーで実に楽しいです。また新作で作ってみたいものです。ありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちは。君の〜の続編近々更新しますので楽しみにしてて下さいね〜。のんびりした二人のお話は作ってて癒されます。 (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年3月31日 16時
