3話 ページ17
｢ありがとうございました。これ、お釣りです。気をつけて下さいねー｣
雅紀君にお釣りを手渡されたお客様。
雅紀君は、お釣りを受けとるために出したお客様の手の下に、お金がこぼれて落ちないよう、自分の手を広げてさりげなく宛がう。その親切さに、お客様はみんな、まるで手を握られたように頬を染めて感激していた。
｢是非また来て下さいね｣
｢は、はい！｣
ホクホクした顔で帰っていくお客様達。
私はそんな雅紀君を眩しい思いで見つめた。
私のバイトの時間が終わると、雅紀君もエプロンを外そうとした。
けれど、次にやって来たバイトさんが雅紀君と入れると思って来たみたいで、物凄くがっかりし、涙まで浮かべる始末だったから、雅紀君は大慌てでエプロンを付け直してた。
｢わーっ、泣かないで、泣かないで！ じゃあちょっとだけ入って行くから。ね？ ね？｣
ぱーっとファンファーレが鳴ったような笑顔を浮かべたのは、ベテランのママさんバイト、工藤さん。工藤さんは来年50歳になる。大学生の、雅紀君と同い年の息子さんがいた。
雅紀君の人気ぶりに私は改めて感心した。
店を出ようとしたら、裏口まで送ってくれた雅紀君。
｢気をつけて帰りなね｣
｢うん。今日はありがとう。雅紀君のお陰で楽しくて、あっという間にバイト時間が終わっちゃったよ。時間が過ぎるのが早かったもん｣
｢そう？ 俺も楽しかった。モデルの御礼には足らないけどさ｣
｢十分だよ？｣
｢このあと食事にでも行けたらなーって思ってたんだけどなぁ｣
｢そうだったの？｣
でもこの後は和也君から写真のモデルを頼まれていて、直接駅で待ち合わせだから、やっぱり食事は無理だったかなって言ったら、口をあんぐり開けていた。
｢それ、なんのためのモデル？｣
｢･･････え？｣
聞いてなかった。
そういえば、どうして写真が撮りたいんだろう。
私が思案顔で首を傾げたら、両肩を揺さぶられた。
｢しっかりしてよ！ もう、心配になる！｣
｢え？ だって和也君だし｣
｢･･････カズを信頼してくれるのは嬉しいけどさぁ。変な写真撮られたらどうすんの？もっと確認しなきゃ｣
ブツブツ言いながらも見送ってくれた雅紀君。
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
