2話 ページ26
｢そこ突っ込むの!? あ、いや、そうだね、そりゃそうだ。気になるのは当たり前のことだと思う。けど、何もないから大丈夫だよ｣
きっぱりと言われて不思議になった。
｢そんなこと、ずっとニューヨークにいるわけでもない翔君がどうしてわかるの･･････？｣
翔君はムッとしたように言った。
｢そんなの、智君のこと信じてたらおのずとわかることでしょ？｣
信じてたら･･････。
じゃあ、私はもう智君のこと信じてないってことなんだ･･････。
私は大事なものがこの身から剥がれ落ちていくのを感じながら呟いた。
｢もう、終わりかもしれないね･･････｣
｢えっ!? わーーーっ!? 姉さんなんてこと言い出すの!? 正気じゃないでしょ!?｣
翔君は大慌てで私の両肩を揺さぶったけど、突然また私を抱きしめてきた。痛いくらい強く。
｢ごめんっ！ 今の姉さん、普通の状態じゃないの忘れてた！ ･･･････いろいろあって、参ってたんだよね？ そんな時に正論振りかざしてぶった切って、ほんとごめん！ ･･･････揺れて当たり前だから。空き巣被害にあって、現場に居合わせて、そりゃ怖かったよね？ ･･････もう大丈夫、大丈夫だから安心して？｣
胸の中に私を包み込んで、背中をよしよしとさすってくれる。
その後も大丈夫を呪文のように繰り返した後、翔君は耳の側で言ってくれた。
｢一度我が儘になってみたら？ 会いたかったら、会いたいって感情のままに叫んでみれば？ 先のこと考え過ぎてない？ ･･････沖縄でも同じ事あったよね？ 圧倒的に言葉が足らなかったやつ｣
｢翔君･･･････｣
｢今まで、連絡をとらないっていうアスリートみたいな過酷なやり方で、姉さんなりに距離を乗り越えようと頑張っていたから、俺らもなるべく静かにしてたの。目の前に毎度現れたら、思い出しちゃうし、変な情報入っちゃうでしょ？ ･･････でもそれもそろそろ限界なんじゃない？ 素直な気持ちで求めてみたら？ 骨は拾ってあげるから。その方が後悔がないよ、きっと｣
｢後悔･･････｣
そう言われたら、このまま終わったらきっと、後悔だらけな気がした。
何しろもう三年近く智君だけを想ってきて、想ってきた割には何もしてこなかったんだから。
私は身を起こした。
翔君は私の顔を見て、凄く嬉しそうに笑った。
｢良かった。いつもの姉さんの顔に戻った｣
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とも(プロフ) - 感情移入してしまい…離れている間が辛かった（笑）主人公ちゃんは年上を気にし過ぎて想いを言葉にしなくて…智くんも口数が少なすぎて〜ちょっと歯がゆさがありましたが最終的には幸せに慣れてめちゃくちゃ嬉しかったです。 (2020年5月9日 10時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - みるくプリンさん» みるくプリン様こんにちは！評価100に思わずにやけました。嬉しいです〜。私自信が欲する萌えで、みるくプリン様も萌えてもらえて、幸せです。頑張りますね！ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします！ (2019年9月28日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - にーにーさん» にーにー様こんにちは！同エピにびっくりしています。さぞや心細かったことでしょう。大変でしたね。作風気に入って下さってありがとうございます。嬉しいです。ロスを少しでも癒せれば幸せです。今後ともよろしくお願いいたします。私も冬のにおい聞き返してみます。 (2019年9月28日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 完結お疲れ様です！最後の方は、何度も泣きながら、じっくり読ませて頂きました。主人公ちゃんや智君はもちろん、翔くん達も素敵すぎて、もう大好きです！(突然の告白)これからも頑張って下さいね！あー☆評価100くらい入れたい位好きです、ホントに。 (2019年9月28日 3時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
にーにー(プロフ) - 初めまして！素敵な作品をありがとうございました！もう智君ロスです…私も以前 彼が留学してる間に空き巣に入られた事があり 同エピにビックリ！最後までお話に引き込まれました。aoさんの作風とっても好きです！彼らの曲 冬のニオイの雰囲気がぴったりに感じました！ (2019年9月26日 3時) (レス) id: 46fd7f8dbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年9月2日 22時
