11話 ページ15
｢･･････なに？｣
ニヤリと笑った二宮君。
｢二人はラブ号線なわけね？｣
一瞬意味が分からなかった。
でも、智君が視線を反らすように海の方へ向けたことで、ハッと気がついて、びっくりして首を横に振った。
｢違う違う！｣
智君がこっちをちらりと見た。
｢違うからね。福士さんはこれがなんの気負いもなく出来る素晴らしい人なの。社内でもモテてるすっごい希少価値の人なんだから。･･････もう、高校生のくせに発言が大胆過ぎない？｣
大人をからかわないで欲しい。
すると二宮君は意外と素直にすぐ、ごめんなさいって謝ってくれて、私も笑顔を浮かべかけたんだけど。
二宮君は続けて、子犬みたいに機嫌よく、にっこり笑って言った。
｢でも、高校生に遠慮なく抱き着く方も大胆過ぎると思いますけどね。さっき、何もかもぴったり密着させてましたよ。何もかもね｣
私は息をのんだ。
どうしてそんなこと言うの？しかも福士さんの前で。
からかわれてるというより、顔がちょっと怖くて、まるでイジメられてる気分だった。
･････彼が攻撃的になったのは、私の何がいけなかったの？
高校生のくせにって言ったから･････？
｢ニノ｣
智君が呼んだ。大きめの声で。
すると二宮君はくるりと目を回すと意地悪を解き、可愛く笑って海の家を出て行った。
福士さんに肩を叩かれた。
｢戻ろう。仕事は山積みだよ｣
微笑まれて、自分が社会人であることを思い出した。
そうだよ、仕事中だった。
･････いつの間にか、高校生の彼らといることで、はしゃぐような気持ちになっていた自分に気づき、驚くと共にへこんだ。
まだまだ社会人としての自覚が足りないのかな･･････。
海の家を出ると、容赦のない太陽の日差しが照り付けていた。そこにはもう朝の空気はなかった。
海を白く輝かせる太陽光。その眩しさに目を細めた。
帽子を被りたいけど、ネズミの家に一瞬でもなったあれはもう被れない。
チリチリと熱くなっている自分の頭のてっぺんを触ってため息を着いたら、背後から何かが頭に被せられた。
麦わら帽子かと思ってびっくりして慌ててとろうと頭に手をやったら、感触が違って手が止まった。
これはなに？
振り返ったら、いつの間にか私の背後に回っていた智君がそこにいた。
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ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー。ご趣味が一緒で喜んでおります！そうなんです、あの可憐さなのに、中身男前なのが、たまりません。移行したのでそちらも楽しんでくださいね〜。ありがとうございました！ (2019年9月8日 7時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - aoさんこんにちは〜、まさかのすっぽかしで内心ヒヤヒヤしながら青春も感じる甘酸っぱさに身悶えて読んでます(笑)若い頃の彼は儚さと危うさが入り混じっていていいですよね、かと思えば男臭かったり･･･ｗ今作すごく好きです！移行先も楽しみにしてます♪ (2019年9月7日 10時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよう！高校生の智君、楽しんでね〜。残暑厳しいから、体調にも気をつけてね！新連載頑張るねー。 (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ねいまーるさん» いえいえ、おきになさらず。私のお話なんて誤字だらけです。これからもよろしくお願い致します！ (2019年9月6日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃーん♪バタバタしていてやっと読めたよ♪なんかめっちゃ青春だね〜♪ドキドキきゅんきゅんするわ＾＾また更新楽しみにしているね♪ (2019年9月5日 13時) (レス) id: 6904188dc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年8月24日 21時
