8話 ページ47
見つかった資料片手に階段を降りてきた智君は、二人を見て目を見張っていた。
｢･･････夜まで帰って来ないんじゃなかったの？｣
お母さんは呆れた様子で言った。
｢一年ぶりに帰ってくるって聞いて、放置するわけないじゃないの！ 用事って言ったってちょっと遠方の買物程度だったんだから。それよりあんた、近所の人と喋ったの？ ２時間前から目撃情報がバンバン携帯に入ってくるんだけど、まさか電車で来たとか？ いつもタクシーじゃないの。どうして？｣
智君が何か言おうとしたけど、お母さんは返答を求めて言ったわけではなかったらしく、嬉しそうな顔で智君をリビングに呼んだ。
｢いっぱい買い物してきたから、食べて行きなさいよ。夕食はシチューとカキフライ作るし。夜までいられるんでしょ？｣
お母さん、ほんとに嬉しそう。
普段サバサバしたお母さんで、智君のマンションにやって来てもそう長居しないんだけど、やっぱり実家に息子が帰ってきたら嬉しいんだね。
智君も顔が緩んでるし。
｢そうそう、Aに可愛い服見つけてね、買ってあるのよ。ちょっと着させてくれない？｣
えっ！私の服!?
服は着たことないよ!? すごいね!?
でも智君は顔をしかめた。
｢服？ ･･････いらねぇもん買うなよぉ｣
｢あんたがいらなくてもAはいるかもしれないじゃないの。嫌がったらすぐに脱がせればいいわ。もうあんたの子なんでしょ？ 預かり猫じゃないんでしょ？｣
｢まぁ･････そうだけど｣
｢だったらAは大野家の子ってことで、うちの子でもあるってことじゃない。服くらい買わせなさいよ。あんたの服ばっかり買ってたら、たまにはフリルの服とか買いたくなるのよ｣
｢フリル〜？ フリルなんか買ったのぉ？｣
智君はがっかりと肩を落としたけれど、フリルはともかく、私はお母さんの気持ちが嬉しくて感動していた。
うちの子って言ってくれた･･････。
凄く嬉しい！
お母さん、ありがとう！フリルでも金太郎でもなんでも着ます！つけます！
お母さんは口を動かしながらも、買ってきた品を手早く荷解きしていた。智君はそんなお母さんに少々やられ気味ながら、自然とそれを手伝って動いていたから、いい親子だなって感心しちゃった。
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ao(プロフ) - keiさん» kei様はじめまして。ようこそお越し下さいました。数日中に移行出来ると思うので、待っててくださいね。私も書きながら癒されてます。コメントのおかげでまた頑張れそうです。ありがとうございました。 (2019年9月7日 9時) (
レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoさん、はじめまして。素敵なお話をありがとうございます。このお話のねこちゃんと大野さんに癒されて、ドキドキして、何回も読み返してます。更新を楽しみにまっています。 (2019年9月3日 17時) (レス) id: a6dd3c2537 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー！本当に彼は魔性ですね･･･。魅力の塊です。酔わされちゃいますね。でも翔君もほんと凄い人で。あらためて、奇跡の五人に感動中です。 (2019年9月3日 6時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - こんにちは〜久しぶりの更新に読む前からドキドキしてました（笑）aoさんと同じ様に本来なら私も翔くんタイプに恋する人間なので共感から笑っちゃいました、反対に智くんがそれを凌駕する魅力的な人って事でもあるので大野智は魔性ですね(笑)次回も楽しみにしてます！ (2019年9月2日 15時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - blue3104さん» blue3104様こんにちはー！私は皆さんのコメントに癒しをいただいています。夏の終わりは疲れが出がちですから、どうぞご自愛くださいませ。お話読んで、癒されてくださいませ。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年8月10日 9時
