2話 ページ41
すると、彼女たちは常連のお客さんだったみたいで、松にぃに親しげに近寄ってきた。
｢大野君はまだなんですか？｣
｢危ないから出待ちするのはやめろって言ってるだろ。さぁ帰った帰った｣
｢でももう最後だし！｣
｢最終日に感謝パーティ開くでしょうが。申し込んでくれたのね？だったらそこでお別れ言ってやってくれよ｣
｢会いたいのに････｣
｢じゃあ･････最終日は笑顔で見送ってやってくれる？ それ約束してくれるんなら、今からここに呼んでやる。･･････ご存知の通り、あいつ芸能人じゃねぇのよ。ここ辞めたら誰もあいつを守ってやれねぇのが心配なの。店辞めたらお客様にお会いしても知らない振りしなさいって言ってあるから。責めんなら俺のこと責めて。な？｣
･･･････胸が痛い。
松にぃは全部自分で責任を被ろうとしてるんだ。
おーちゃんや雅紀君と一緒で松にぃも優しい人なんだね･･････。
その時だった。
｢松にぃ｣
おーちゃんが雅紀君と連れだってやって来た。
色めき立つ女の子達。
｢大野君！ 相葉君も！｣
おーちゃんは、女の子達を見て眉を下げた。
｢もう待たないでって言ったのに？｣
｢だって、大野君に会いたかったの｣
｢嫌われるよりは嬉しいけど。あぶねぇでしょ｣
言葉につまる彼女たち。
｢守ってやれねぇから。何かと引き換えにはできねぇ。･･････ごめんね｣
おーちゃんが苦しんでるのが手に取るようにわかって胸が痛かった。
この場では、何も出来ない自分が悔しい。
｢自分、大切にして？ 父ちゃんと母ちゃんの大事な子でしょ？｣
｢大野君･･････｣
真心が通じたみたい。
女の子達が意気消沈したのが分かった。
｢あの、握手だけして貰ってもいいですか！｣
｢俺でいいの？｣
力強く頷く二人に、おーちゃんはふにゃっと笑うと、ズボンで手をこすってから差し出した。
女の子達は喜びで涙ぐんでいた。
あぁ･････切ない。切ないけど、おーちゃんも女の子達も頑張ってる。傷つけないよう言葉を選びながらたしなめるおーちゃんと、頭ではわかっていても燃える想いから自分を止められず、でもおーちゃんの言葉を理解したいと葛藤している女の子達。
｢よっしゃ！｣
松にぃが景気良く言った。
｢おまえさんらに朗報だ。 感謝パーティのビンゴ大会の景品の特賞は、智とのハグでどうだ！｣
ええっ！
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なるちゃん(プロフ) - 堪能した この言葉がぴったり当てはまるすばらしい作品でした！ 喫茶店がオープンしてからのエピソードも楽しみにしています！ (2019年7月1日 8時) (
レス) id: ed0a73ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - はるさん» はる様こんにちは。嬉しいコメントありがとうございました。私も大好きなお話でした。また書けるといいなぁって思います。ほんと、主人公ちゃん羨ましかったですねー。読んでくださってありがとうございました！ (2019年4月5日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - aoさん、こんにちは。素敵なお話をありがとうございました。ゆっくりと進む感じの二人がとても素敵でした。智ちゃんが格好よくて主人公ちゃんが羨まし過ぎです。また続きが読める時がきたら嬉しいです！ありがとうございました！ (2019年4月4日 15時) (レス) id: b3c5b647ee (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様、コメント嬉しいです！kiki様のご都合のいい時に遊びに来ていただいて、余裕のある時にまたコメント下さったら嬉しいです。私はいつでも両手を広げて萌えるカッコイイ青色さんを用意してお待ち致しておりますので。頑張りまーす！ (2019年4月4日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 忙しい中、癒されてます。ゆっくりコメントできず申し訳ありません。でも、毎回楽しみにしております。 (2019年4月2日 8時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年3月13日 10時
