9話 ページ30
ベッドに身を投げ出すように寝転がった。
顔の上に腕を置いて、醜い自分を隠した。
･･････電話、途中で切って、最低な彼女だ。こんなのだったら、生徒思いの泣いてる美人教師の方が絶対いいに決まってる。
私は、ちょっと会えないだけで物凄く不安になっている、少しもおーちゃんを信じ切れないでいる自分に呆れて嫌気がさした。
最悪だ。
その夜、なんだか自分のことを虐めたくなってしまった私は外出した。
嫉妬だらけの自分が嫌で嫌で仕方なくて。
嫉妬するっていうことは、これまでのおーちゃんから受けた優しさを全部無にすることのように思えた。おーちゃんを信じられないのは、受けた優しさに感謝出来ていない、その顕れのように思える。
滝にでも打たれに行きたかったけど、近場にはないし。マラソンでもしようかと思ったけど、いきなり走って開店前にアキレス腱切りたくないし。
グダグダ理由をつけた結果、このまま日の暮れた街を徘徊するのもおまわりさんに迷惑だろうと、どこかのお店に入ることにした。
でも、お茶という気分ではない。
ふと、バールに行ってみようと思った。いい店だけど、日頃はおーちゃんの恋人だとばれたくないからバールには行かないようにしていて、でも今ならおーちゃんは出勤してないから行っても問題ないように思えた。
おーちゃんに黙ってバールに行く。きっとおーちゃんはいい顔をしない。おーちゃんに怒られる。
それこそ最高の悪いことのように思えて、私は名案だと向かったんだけど･･････。
店に入って、５分くらいで後悔した。
自分を虐めても、それでおーちゃんが傷ついたら元もこもないことに今更気づいた。
私は自分を戒めたい。あさはかな自分を虐めたい。でも、自分を虐めることは、おーちゃんのことも虐めることだと、ようやく気がついて、カウンター席で呆然とした。
･･･････冷静になったら、自分の行動の何もかもが間違っていたとことに気付いた。出来ることならおーちゃんから貰った、岩手からの電話の、最初の部分からやり直したい。
･･････なにをやってるんだろう。
おーちゃんの不在がこんなにも自分を狂わせるなんて思いも寄らなかった。
私は自分が怖くなった。
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ao(プロフ) - ぐちこさん» ぐちこ様コメントありがとうございます〜。優しいお話は私の目指すところで、そこを感じ取ってくれて凄く嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。頑張ります！ (2019年3月14日 8時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ぐちこ(プロフ) - こんばんは！お話をお見かけして、優しいお話に次々と読み進めてしまいました☆穏やかな主人公さんに、やさしいおーちゃん。また、主人公ちゃんを取り巻くやさしいいつメン☆温かな気持ちにさせてくれるお話をありがとうございます。これかも、楽しみにしています♪ (2019年3月13日 0時) (レス) id: d58eef616e (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちはー。お仕事大変そうですね。ここで癒せるならばたくさん癒してくださいね。私も頑張ります。確かにみんないい男ですよね。たまには悪い男でも出してみようかな。結局5人以外の男になりそうですけど(笑)。 (2019年3月11日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ao様 年度末の忙しさに癒してもらっております。こんなできる男達は見たことありません(//∇//)言葉のチョイスが素敵です！ (2019年3月8日 20時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - マコトさん» マコト様共感いただけて凄く嬉しいです。幸せです。ほんとに何度見ても飽きませんよね。見る度発見します重箱の隅をつつくように見てます。それでも感心するし飽きません。また是非遊びに来てくださいね〜！ (2019年3月7日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2019年2月23日 17時
