2話 ページ2
｢･･････おーちゃん、ごめん｣
どうやら最初におーちゃんがあっち？って言った方が正しかったみたい。
先生失格だよ。うぅ。
うなだれていたら、おーちゃんが私をチョイチョイって手招きで呼んだ。
なんだか嬉しそうなワクワク顔。
｢あっこ。見てみ？ さっきからずっといんの｣
隣に並んで見てみたら、庭の木にリスがやって来ているのが目に入ってびっくりした。
野生のリスは初めて見た。
｢な？｣
ご機嫌な様子でリスを見てるおーちゃんの横顔をじっと見ていたら、胸がキューンってなった。
･････おーちゃんとずっと一緒にいたいなって、心から思った。
おーちゃんといたら、自分のことを嫌いにならずに済むから。落ち込んでることや悩んでることが、そう深刻なことじゃないって思えるから救われる。
｢じゃあ、今度はこっちに行こうか？｣
私が指を差したらまた素直について来た。
･･････可愛い。
このままどこかに連れ去りたくなっちゃう。
｢この先が地獄だったらどうする？｣
私の言葉におーちゃんはフフッと笑った。
｢いいよ？ 地獄行ってみたかったし｣
｢そうなの!? 何しに行くの!?｣
｢今、地獄の釜の形に興味あって｣
独特だなぁ･････。
｢じゃあ天国だったら？｣
｢･････天国には興味ないな｣
興味のあるなしなの？
･･････やっぱり独特かも。
道はあってて、無事に温泉に到着出来てほっとした。
｢じゃあ後でね。先に上がったら、おーちゃんは部屋に戻っててもいいよ？｣
おーちゃんは長風呂じゃないから、きっと私の方が後になると思ったの。
でもおーちゃんは浴場の前の休憩所みたいな場所をちらりと見て、そこで待ってるって言うから、待たなくていいよ？って言ったんだけど、そしたらおかしそうに笑われた。
｢なあに？｣
｢迷子になられたら困るから｣
さっき道を間違ったことを言ってるんだとわかって顔が熱くなった。
｢もうならないよ｣
すると、おーちゃんはクスクス笑いながら綺麗な流し目で私に言った。
｢俺が連れて帰る｣
ドキーン！
きゅ、急に男を見せて来ないでおーちゃん！
クスクス笑いながら男湯に入っていくおーちゃんの背中を顔を赤くしながら見送ったけど、その姿が見えなくなって十数秒、はっと我に返った私は慌てて女湯に飛び込んだ。
出てくるのが遅くなっちゃう。
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ao(プロフ) - ぐちこさん» ぐちこ様コメントありがとうございます〜。優しいお話は私の目指すところで、そこを感じ取ってくれて凄く嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。頑張ります！ (2019年3月14日 8時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ぐちこ(プロフ) - こんばんは！お話をお見かけして、優しいお話に次々と読み進めてしまいました☆穏やかな主人公さんに、やさしいおーちゃん。また、主人公ちゃんを取り巻くやさしいいつメン☆温かな気持ちにさせてくれるお話をありがとうございます。これかも、楽しみにしています♪ (2019年3月13日 0時) (レス) id: d58eef616e (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちはー。お仕事大変そうですね。ここで癒せるならばたくさん癒してくださいね。私も頑張ります。確かにみんないい男ですよね。たまには悪い男でも出してみようかな。結局5人以外の男になりそうですけど(笑)。 (2019年3月11日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ao様 年度末の忙しさに癒してもらっております。こんなできる男達は見たことありません(//∇//)言葉のチョイスが素敵です！ (2019年3月8日 20時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - マコトさん» マコト様共感いただけて凄く嬉しいです。幸せです。ほんとに何度見ても飽きませんよね。見る度発見します重箱の隅をつつくように見てます。それでも感心するし飽きません。また是非遊びに来てくださいね〜！ (2019年3月7日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2019年2月23日 17時
