２話 ページ13
夜の11時頃までは店で書類を書き込んでいたはずなのに、気がつくとカウンターに突っ伏して寝てしまっていた。
時計を見ると夜中の2時を回っていた。
｢あ、いけないっ｣
うっかり店で朝を迎えてしまうところだった。
でも、私はカウンターの木目を見たまま暫く動けなかった。
胸に残るのはとぐろを巻いたどす黒い感情。･･････また、嫌な夢を見てしまった。
｢帰らなきゃ｣
明日も食堂の仕事がある。
帰り支度をしようと携帯電話を手に取ったら、おーちゃんからの着信と留守電が一杯入っていてびっくりした。
｢全然気がつかなかった！｣
驚いて、慌ててリダイヤルした。
この時間なら、家に帰ってまだ起きていることもある時間だったから。
心配させたお詫びの言葉を考えながら応答を待ったんだけど、おーちゃんは出なかった。
寝ちゃったのかなと思いながら、とにかく帰る準備をしようと片付けを始めてたら、ガシャガシャと、シャッターを叩く音が二回して、ドキッとした。
今日はシャッターを全部閉めていたから、誰がそこにいるのかわからない。
でもまさかと思って電話を鳴らしたら、案の定、外にいるのはおーちゃんだった。
馴染みのある着信音がすぐそこから聞こえてきたから。
私はおーちゃんが電話に出る前に慌ててシャッターを開けた。
｢いたし！ 良かったぁ｣
おーちゃんは、私を見るなり裏返った声でそう吐き出した。
携帯片手に心底ほっとした顔をしてそこに立っているおーちゃんを見ていたら、よくわからないけど私は涙が溢れて止まらなくなった。
おーちゃんはそんな私を見て心配そうに眉を潜めた。
｢怖いこと起こってない？ ･･････一人でいた？｣
｢うん｣
｢うっかり寝ちゃったとか？｣
｢うん。･･････ごめんね？｣
ほっと胸を撫で下ろしたおーちゃんは、心配すんだろ！ってちょっと怖い声で私を叱った後、店に入って来ながら腕を伸ばして私を抱き寄せ、ヨシヨシと頭を撫でてくれた。
｢泣くな。泣かなくっていいから。ハイハイ、よしよし｣
頑張った頑張ったって言いながら、私の身体を労るようにポンポン叩いてくれる。
｢･･････おーちゃん。ぐすっ。･･･････ウワーーーン！｣
｢ええっ!?｣
泣き止むどころか本格的に泣き出した私を見てギョッとしていたけれど、私が落ち着くまでずっと抱きしめてくれていた。
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ao(プロフ) - kikiさん» kiki様こんにちは。主人公ちゃんいい子なんで、たまに黒くしよう黒くしようとしてるんですが、なかなか染まってくれません。恋人が素敵だからでしょうか。私も青色さんに綺麗な色にしてもらいたいです！ (2019年2月26日 16時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - もちろん、こちらも拝読致しております！主人公ちゃんの清く芯のある人柄が凄く素敵ですねー！こちらも見習う事が多々ありまーす。感謝の気持ちって、ホント大事ですよね。 (2019年2月25日 18時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - わー、cocoro様コメント嬉しいです。お元気でしたか。何度も読み返したくなるようなお話を頑張って作るので、是非遊びに来てくださいね。一緒に楽しみましょう！萌えてくださーい。 (2019年2月25日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
cocoro(プロフ) - aoさん、お久しぶりです。またこの子達に会えて嬉しいです。私はこれからも、いやもしかしたらこれまで以上にここに糖分補給に立ち寄るであろうと思われます(笑)。また一緒に楽しませてください。 (2019年2月24日 20時) (レス) id: 8d2a7d356c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2019年2月19日 20時
