52話 ページ27
｢これ何？｣
｢昼に届いていたのを忘れてたんだよ。裏を見てご覧。なんちゃら先輩とやらからだから｣
ひったくる勢いで手紙を取って裏を見たら、確かにそこには大野先輩の名前があった。達筆な文字。
｢おばあちゃん！ 早く渡してよ｣
｢あんたは気が多いねぇ。いったいどっちが好きなんだい？｣
｢そういう問題じゃないでしょ！わかってるくせに！｣
｢ほら行った行った。稽古は終わりだよ。･･････これが青春ってやつなのかい？｣
｢もう知らない！｣
腹が立ったけど、両手を揃えて頭を下げた。
お稽古の決まり事だから。
｢師匠。ありがとうございました｣
｢はい、いいですよ。･･････ほれ、読みに行っといで｣
楽しそうに笑ってるおばあちゃん。
私は照れ臭い気持ちで急いで自分の部屋に入って先輩からの手紙を開いた。
相変わらず綺麗な文字。
見惚れながら文章を読み進めて、一度日本に帰るから会えないかなと書かれていることにも驚いたけど、末尾にその日付と時間が書いてあって、それを見て思わず立ち上がった。
｢今日だ！｣
待ち合わせ場所に行くと、時間にはまだあと少しあったけど、大野先輩はもう来ていて、空を見上げていた。
私はその光景を懐かしく思いながら見つめた。
いつも先輩は空を見ていた。
海外で暮らす好きな人を想ってるその姿。今も置いてきた彼女を思い出しているんだろうか。
以前はその姿を見るのが辛かったけど、今は胸が暖かくなった。人を愛するその想いの尊さが素敵だなって感じる。
先輩は以前より小顔になって、体つきもシャープになっていた。
柔らかい印象に鋭さが加わっていて男らしさが増していた。･･････色気も増量している。
これはモテるだろうなと思った。
声をかけて、挨拶をした後にそれを先輩に言ったら、照れ臭そうに、痩せただけだよって返してきた。
笑顔の中の、相変わらずの優しい目尻を見てほっとした。
変わってないね、先輩。
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ao(プロフ) - kikiさん» kiki様、キュンとして貰えて良かったです〜。今日の更新もしてもらえるといいな。次回最終回です。お楽しみに！いつもありがとうございます！コメント貰えてとっても幸せです！ (2019年2月20日 8時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ありがとうございます。ニノがやっとホントの笑顔になれましたね！最高に可愛い言葉選びにキュンとします！ (2019年2月19日 22時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様、おはようございます！さてさて、今日の更新もにやける一日のスタートにしてもらえるといいんですけど。私は更新前からにやけています。今から更新作業します。待ってて下さいねー。 (2019年2月19日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - さとあすさん» さとあす様、待って下さってありがとうございました。お話を載せる準備は出来ていたのですが、気持ちが追いつかず。でも次第に妄想は今までの以上に溢れ出して。妄想が自分を引き上げると感じました。ありがとうございます。青さんのいいのあるんで、待ってて下さいね！ (2019年2月19日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - おはようございます！朝から切なく、もどかしさからのにやける１日のスタートになりました！ (2019年2月18日 9時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年2月12日 13時
