11 交換 ページ11
｢してないよ｣
脱力感に座り込みたくなったけど、震えそうになる足に今世紀最大の力を入れて踏ん張った。
｢そっか。じゃあ交換ね｣
スーツの上着の内ポケットから携帯を取り出した智君と連絡先を交換した。
年甲斐もなく緊張して、操作を間違いそうになる。
しっかりしてよ、私！
｢ニックネーム、フルネームじゃん。真面目や｣
からかうように言われて、智君もでしょって言い返してたら、ピロンって私にメールが一通届いた。開いたら目の前の人からだった。
｢口で言えばいいじゃな･･････｣
言いかけて、内容に目を通して口ごもる。
『あとで会おう。外出てどっか入ったら連絡して』
息をのんで顔をあげた。
智君はちょっと強引なやり方をしてるくせに、照れ臭そうに目をそらしている。
･･････可愛い。
キュンって来て、いろんなことから目をそらして返信した。
『了解です』
智君はそれを読んで嬉しそうに笑うと、翔君の元へ帰って行った。
迎えに来た健太君にアンをお願いして、店を出た。
翔君と智君は個室で飲んでいるようだった。翔君がいるのなら挨拶した方がいいかなって思ったけど、この後智君と約束してしまったから、なんとなく顔が合わせづらくて、結局声をかけずに出て来てしまった。
さて、どこに行こう。
お酒は好きだけど、そう多くの行きつけのお店があるわけじゃない。
でもちゃんと大人になったんだってことを智君にアピールしたくて、ここからほど近い、一番お気に入りのバーに入った。
午後10時。
奥のカウンター席に座り、マスターに連れがあとでやって来ることを告げて一息着いた。
･････さっきからずっと、胸が息苦しいの。
とりあえず落ち着かないと。
深呼吸を一つする。
でも智君に場所の地図を送ったら、すぐに既読になって、そのことでまた胸が苦しくなった。
少女のように心が躍っている自分に唇を噛んだ。
･････私、智君にときめいてる。
どうしよう。だめだよね、こんなの。
でも、ただ懐かしくてドキドキしているだけなのかもしれない。だったら自分に予防線を張る必要なんてないわけで。
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ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
