15 お人形 ページ15
｢なぁ、これ何の人形かって聞いてんの｣
私の気持ちなど露知らずって感じに催促してくる二宮さんはやっぱり小悪魔だ。距離感のおかしくなった小悪魔。
｢昔、青色のグッズを集めるのにはまってて、その時に見つけた人形なんです。お気に入りだから、飾ってて。可愛い顔で、元気出ません？｣
｢出ない。どっちかって言ったら怖いわ。ちょっと松潤に似てない？｣
｢･･････そうですか？｣
｢なんで青なの？｣
｢陶芸教室で見た青色の花瓶の色があんまりにも綺麗で、そこから綺麗な青を探すようになって。･･････私、何かにはまると際限がなくなるので、ほんとにたくさん集めましたよ。部屋中真っ青です｣
｢今も青ばっか？｣
｢収集は一段落しましたけど、好きなのに変わりはないから片付けないでそのまま青一色ですよ。今の部屋にも少しだけ運んできました｣
｢え？｣
二宮さんが驚きの声を上げた。
｢今の部屋って言った!? じゃあ実家出たってこと？ いつの間に一人暮らしになってんの！｣
｢先月です｣
どうしてそんなにびっくりしてるんだろう。
え？ 報告必要だった？ でも社員の住所管理は私の仕事だから、自分で処理したんだけどな。
｢あの、社長にはお伝えしましたよ？｣
するとますます目を見張る二宮さん。
悔しそうな顔で、｢あのオッサンめ｣って呟いた。
｢･･････引っ越したのって、彼氏のことと関係あるの？｣
｢いえ、単に実家から通うのが遠かったので。･････あと、私ももう28歳ですからね。そろそろ両親を頼ってばかりなのもどうかと思って。幸にも両親とも健康ですから｣
｢ふぅん。･･････てことは彼氏の天下なわけね？｣
一人暮らしを始めて、まだ恋人は一度も来たことがなかったけれど、仲良しアピールしておかないといけないって、ここはにっこり笑っておいた。
それを見た二宮さんは、やさぐれた顔で私をひと睨みすると、ようやく離れてくれた。
開放感に深呼吸する。
･･････今までになく距離感が近かった気がする。
ふーって息を吐いたら、ふいに二宮さんの香りがまた戻って来た。
｢誕生日おめでとう｣
振り返ったら、綺麗に微笑んで、73回目のウインクをくれた。
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ao(プロフ) - ねこっぱちさん» ねこっぱち様。レス遅くなってしまいました。失礼しました。コメントありがとうございます。今も読んで下さってますでしょうか。社長編起きに召しました？私もここの事務員なりたいです！これからもよろしくお願いいたします。 (2018年8月2日 15時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこっぱち(プロフ) - お気に入り1番目Σ(ﾟ艸ﾟ〃)思わずコメントしてしまいました！いつも楽しく読ませて頂いてます。この代理店事務員もう1人雇ってくれないかしら〜♪ (2018年7月13日 14時) (レス) id: 8896252b64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年7月11日 5時
